ケルトと音楽と私

ikanoosushi
·

「ケルト音楽好き!」

この一言が実はものすごーくキケンな一言だっていうのは静かに言いたい。と思ったのでしずかなインターネットに書くことにした。

いや実際は過激派がすっごくぷんすこ言うだけで、8割くらいの人間は「わかるわかる〜」くらいで済ませるのかもしれない。データはない。

かくいう私は対して詳しくないので「わかるわかる〜」派なんだけど、「ケルト音楽好き!」というワードには腹の奥底ではハラワタが煮えくり返ってモツ煮を作ってしまうほどにいまモツ煮食べたい。じゃなくて、ちょっとムッと来るフレーズであることは確かである。

さてさて。そもそもの「ケルト音楽」とはなんだろうか。

あんまり詳しくないので知ってることだけをざっと書くと、以下。

  • 伝統音楽と商業音楽の2種類ある

  • 細かく分類していくとイギリス(アイリッシュ、スコティッシュなど)だけでなくフランスやカナダの方にもケルト音楽に含まれる作品が存在するらしい

  • 歌物とインスト(楽器だけの音楽)がある

  • よく「民族調」とかでまとめられる

  • そもそもケルト人に関係しない場合もある

大体こんな感じ。2つ目、4つ目のせいで大体喧嘩になるのはこれまでの経験から分かってる。というか、アイリッシュ音楽・スコティッシュ音楽を「ケルト」として呼んじゃうからややこしいのかもしれない。

1つ目にあるように、商業音楽としてのケルトもある。たとえばCeltic WomenやEnyaなど。Wikiによると商業音楽がケルトであって伝統的なものは地方名だ、みたいに語られてはいるが、あくまで勘なんだけど、商業・伝統については要出典な気がするよ。

あと3つ目、これのせいでまたすれ違いが起こってる気もしなくもない。

書いてはいないけど、いわゆる「ゲーム音楽」の民族調音楽として「ケルトっぽいリズムや楽器編成」が登場して、それが「ケルト音楽」として定着して、これがまた伝統音楽を好む人とバトルしてる…ような気がする。実際には見たことないけど、この辺のすれ違いはかなり多い気がする。

5つ目。これについては詳しくないので割愛するが、本来のケルト人が住んでいた地域や彼らの音楽からは全く関係のないところで発展したっぽいので、なんかもう、「ケルト」音楽って何だろう…?触れない方がいいかもしれない。

あと日記の後述の「ジグ」はまた別のジャンル、「ブルーグラス」の影響があるケルト音楽とも言われるので、ここでまたややこしくなってくる。

と、ここまでは私がめんどくさーいきらーいと感じてることのまとめで、以下からは私がすきーこういうのすきーと感じてるものをつらつら書いていきたい。じゃないと心が折れる。

歌物

まずは歌物。イギリス方面の伝統の歌が有名で、これらが好きです。

アレンジ入ってるので正確性には欠けるが、"The parting glass"というのはスコットランドの伝統の歌として実在している。スコティッシュの中で一番好きな歌だ。

あと伝統の音楽を歌う人の中で一番好きなのはこのPeter Hollensさん。

The Bonnie Banks o' Loch Lomond、王様に捧げた歌だそう。Parting glassと比べるとおとなしい展開だが、これがまた伝統の音楽って感じがして大変良い。好き。

Green sleevesは有名だと思う。「緑の袖」っていう意味で、女性を指すそう。歌詞の内容的には失恋らしい(すっげえざっくり)。

Scarborough Fairも有名だと思う。個人的にはこの旋律こそイギリス!伝統!!って感じがする。非常に神秘的で、物語の導入っぽさを感じたり、風景が見えるような感じがしたり。どうだろう。

ジグ(インスト)

"Jig"ってのはダンスミュージック的な意味があって、イギリスの方では概ねテンポの良いインストのことを指す。

今回はケルト音楽のひとつとしてジグを出すけども、器楽ってのは歌の登場よりずっと後のものだし、おそらく「伝統的な」ケルト音楽のくくりからはちょっと逸れると思う。

というのも、最初に書いた通りでいろんな国で「ケルト音楽」が醸造されてきたのに対し、このジグはアメリカの「ブルーグラス」の影響を受け「イギリス国内で」発展した音楽だそう。※おそらく諸説ある。

ケルトの本場と思われているイギリス国内の音楽ではなく、国外からの影響を受けた比較的歴史の浅い音楽ということで、「これがケルトです!」って言うとなんか色んな人から全力で殴られるような気がする。きのこ・たけのこ戦争くらい同じくらい重いと思っている。

まだ生きていたいので「ケルト音楽の一部として紹介」するにとどめ、ケルト音楽ですよ名言しないことにする。ところで、私はたけのこの里派です。

ジグの動画を貼っていくが、楽曲名はちゃんとあるが、あんまり聞き分けできないくらい似てるので、まあこんな感じってのを聞いてもらえたらと思う。

Reelってのはメロディって意味くらいに捉えて欲しいが、このReel(≒しゃくり)の仕方は地方によって異なるらしい。なので、この方が弾いているメロディはちょっと過激な書き方ではあるが「正確ではない」。

ただこういう陽気な音楽なのでジグは何聞いても楽しい。

これはパブの中で演奏している様子。こういう動画がそこそこ見られる辺り、ジグは屋内でやるのが普通なのかもしれない。

私は酒が飲めない(飲むと異界に飛ぶ)が、きっとこういう場で飲めたら楽しいと思う。

フィドル(バイオリン)、ギター、マンドリン、バンジョーあたりのセッションが多いが、特に気にしたいのは「バグパイプ(チャンターだけの場合もあるっぽい?)」「アイリッシュリコーダー」「ティンホイッスル」「バウロン」という国独自の楽器もよく使われる点。

楽器、リズム、しゃくり、がセットになってようやく本場のジグになると思う。あと酒とつまみ。

ケルト音楽も色々ある

特徴を捉えて作られた「ケルト風」ってのも世の中にはたくさんあるが、伝統の音楽をまずは触れて欲しいなって思ってる。

私も本当にまだまだ触りの部分くらいしか知らんので時間を作って、ガ○ダムを語ると口が止まらないめんどくさいおじさんレベルにまで行きたいなと考えてはいるが、まぁめんどくさいやつは私が嫌いなので、特徴を捉えて作られたケルト風を作っては出すくらいでとどめておくことにしようと思う。

色々見ていくと、なんかもう「ケルト音楽」はかなり包括的な意味であって、私が好きな音楽はブルターニュ、アイリッシュ、スコティッシュ、ウェールズで、特にアイリッシュが好きですね!みたいな言い方をするのが世界平和ってもんかもしれない。伝わんねえって…。

ってところで、ケルト音楽のお話を書いたら1時間経ちましたので終わりです。

この日記が面白いと感じたらチャンネル登録とグッドボタンのプッシュをお願いします。それではまた別の動画、配信でお会いしましょう。さようなら。

追記。書いてて思ったけど、フランスのブルターニュって百年戦争時代とかガッツリイギリス側だったし、フランスの成り立ちも辿っていくとイギリスと強く関連してくるし、つまり私の気に入ってるケルト音楽ってほぼイギリスの音楽じゃんね。

@mbe
好きな寿司は炙りサーモンです。