映画レゼ篇を見てからポストがレゼちゃん一色になってしまい雑多垢とは?みたいな状態になってる認識はある
でも本当に毎日レゼちゃんのことしか考えられなくて、大量にポストしてしまうので一回日記を書くことにした。落ち着きたい。
もう何から触れていこうか迷うけど、とりあえず映画が完璧すぎる。
原作がおもしろいのはもちろん、映画で魅力マシマシになっていてすごすぎる。製作陣、こんな素敵な作品をこの世に産み出してくれてほんとうにありがとう。興行収入も当初の予想に反してもしかして100億もいける…?みたいな空気になっている。リピ率が高いせいらしいけど、それも納得。
だって鑑賞後のロスがすごいもん。
たぶん余白が多い作品なのもある。タツキ先生はあまり説明しない作風なので、他のキャラクターや作品含め謎を残したまま退場させたりすることも多い。レゼ篇も、レゼちゃんの独白が最後以外一切ない。
だから私たちはレゼちゃんがほんとうはどう思っていたのか、細かな描写や彼女の表情からどんどん想像してしまう。でも映画のコピーの通り、結局少女の心は誰にもわからないまま終わってしまう。なんてこった…。
そんな心に穴がぽっかり空いた状態で映画館から放り出されるので、もう一度レゼちゃんに会いたくなってしまうのだ。
う…レゼちゃん……
※ネタバレ注意
映画のシーン順に感想を書くけど別のシーンや先生のインタビューから話を引用したりで結構ごちゃごちゃです
●デンジくん
レゼ篇というだけあってレゼちゃんが魅力的なのはもちろんなんだけど、やっぱり主人公のデンジくんがほんとうに魅力的だなと思う。
なんというか唯一無二。バカで非常識で純粋でイカれてる。でもクレバー。文字で説明しちゃうと主人公ってだいたいそうじゃんって思われそうだけど、見てもらったらわかる、不思議なバランス感があるんです………
●レゼとの出会い
映画冒頭で初対面で泣き出す変な女にお花をプレゼントして励ますデンジくん。レゼちゃんがすぐ殺さずに様子をみたのはデンジくんが同じ境遇っていう事前情報を得ていたからなのもあるだろうけど、結構花プレゼントされたのも効いてたと思うんですよね。すぐ捨てたっていいのに、わざわざマスターに言って飾ってもらっちゃってる。
これ、胃液まみれの汚ねえ花を受けとったの嫌じゃなかったのか?って質問に先生が「レゼは優しい子なので」って回答してるのも大好き。
戦闘時も「なるべく人は殺したくないからデンジだけ置いていけ」なんて交渉したりする。コベニちゃんと暴力の魔人のことも見逃してる。こういうところからも彼女は祖国から与えられた役割を果たさなければ生きられない人生で、本当は心優しい子なのが伺える。切ない。
●夜の学校
「レゼとなら学校に行ってみたかったかもな、なんか楽しそうだし」
発端になるデンジくんのこの台詞。本人は何気なく発しているけど、今となってはあまりに切ない。「ぜんぶ教えてあげる」なんて言った本人も、実は学校にいったことがなかったと最後にわかる構成に胸が苦しくなる。青春と儚さがたまらない。
全裸で学校のプールで泳ぐとこ本来はエロシーンなのかもだけど、あまりに綺麗すぎてそんなことを考えることに罪悪感すら覚える。
これだけハニトラ仕掛けられまくってもデンジくんからは一切レゼちゃんに触らないのがすごい。だからレゼちゃんも好きになったんだろうな。
●お祭り
楽しそうに金魚に視線を落とすレゼの横顔を見つめるデンジくんが愛おしい。こんな甘酸っぱいデート見せてもらっていいんですか。ありがとうございます。ありがとうございます。
そして逃避行の提案に戸惑うデンジくん。かわいい。
でもデンジくんとしては、アキくんに色々教えてもらってやっと社会的な生活を送れるようになってきたし、扱いの大変なバディとも仲良くなってきたところ。仕事だって評価されてお金もちゃんともらっている。
ド底辺の生活を送っていたデンジくんからすれば、今の生活は夢みたい。知り合って1週間の謎の美女とすべてを捨てて逃避行なんて決断できない。
ただ、レゼちゃんにはそれがあまりに予想外だった。
彼女の人生はずっと誰かに利用されている。ひどい人体実験で武器人間にされて、激痛を伴う訓練(よりによって容姿がよかったせいでハニートラップ訓練まで)も耐えてきただろう彼女には、逃避行を断られるなんて発想がなかった。だから断られたとき一瞬理解できないようなぽかんとした顔をしてたんだと思う。
それと同時に同じ境遇で育ったと思っていたデンジが自分とは違って今の場所を結構気に入ってるという事実が、余計孤独を感じたのかもしれない。
次の瞬間舌を噛みちぎられるというインパクトがあるシーンが入るせいで感情が追いつかないけど、結構この逃避行を断るシーンはレゼちゃんの気持ちを考えるとしんどい。このあとの2回目のキスをさよならのキスだと解釈している人もいて素敵だなと思った。
ところで、すぐに助けにはいったビームくんはたぶんずっといたんだよね?デートがいい感じなので空気を読んで気配を消してたのかと思うとおもしろすぎる。かわいい。パワーちゃんよりいいバディなんじゃないのか?(言ってはいけない)
●ボムvsチェンソー
戦闘シーンはもう映画館でみよう!ばかかっこいい。
「頭と体を切り離して時限爆弾のように使ってなおかつ爆発利用して頭の方から体再生する」とかいうとんでもねえ戦い方を少女に仕込むソ連がこわすぎる。それが出来るかどうか何回も実験して確かめたんだろうなと思うとゾッとする。
映画の特典によると、レゼちゃんのほうは爆発するたび激痛らしく、あの…ほんと……泣
それにしてもレゼちゃんの能力って武器人間の中でもチートじゃないですか!?派手でかっこいいし殺傷能力も高い。多彩な戦闘パターンが映像映えしていてすごかった。
●海
そして海に沈む2人。
映画はあったか忘れたけど原作だとここでふたりがプールで遊んでいたコマが差し込まれている。レゼちゃんの走馬灯なのかも。ここでとどめを刺されて死ぬ。そう思った瞬間思い出したのはプールでデンジくんと遊んだ記憶。
でも目が覚めたら浜辺にいて、爆破で吹き飛ばされた自分の服のかわりにデンジのシャツが着せられてる。そんで「一緒に逃げねえ?」なんて言われる。しかも諦めてもらうために全部嘘だと伝えたら返ってきた言葉は「まだ好き」「でも泳ぎを教えてくれたのはほんとだろ?」
デ、デンジくんすげえ〜〜〜……
一度は断った逃避行を今度はデンジくんが提案する。殺し合った上で、レゼちゃんがたくさん人を殺してると知った上で、全部を捨てるから一緒に逃げようと。デンジくんはバカだから、おそらく全部捨てるってどういうことかあんまりわかってない。ただ純粋さから出た言葉なんだろうなと思う。
●最後
ガーベラを見つめて、新幹線に乗らない決断をするまでのシーンで、初めてレゼちゃんの生い立ちが明かされる。
レゼちゃんは自分の感情をずっと押し殺して、諦念を抱えて生きていたんだと思う。でも、もう無理だと諦めていた生活をもしかしたらデンジくんとなら…
あのだんだん駆け足になる演出にそんなレゼちゃんの感情が表現されていてよかった。まるで自分の恋心をやっと自覚した感じで。
最後手をくだしたのがマキマでなく天使の悪魔だったの、一部で「天使に心臓を射抜かれた」=「恋に落ちた」って解釈されていてあまりに美しすぎてびっくりしちゃった。なるほどなあ〜〜〜!!
ソ連に帰っていればマキマさんも見逃したんだろうか。だとしたらデンジくんへの恋心を自覚したせいで死んだことになるので余計切なくなる。(たぶん死んでないけど)
あ〜あ、なんつー物語だ。
最後まで工作員としてのレゼでもなく、殺戮兵器のボムでもないずーっと普通の女の子として見てくれたデンジくんが愛おしい。
逃避行を決意して、全財産を封筒につめてニャーコに挨拶をするシーンがすごく好き。花束まで用意して。国家に管理された武器人間の逃避行なんて逃げ切れるかもわからないし、一生隠れて暮らさないといけないだろうに、そんな逃避行に花束。
この描写もデンジくんが本気でレゼちゃんを好きだったことが伝わってくる。
個人的にには、諦念しかなかった彼女の人生で最後にデンジくんが花束を持って待っていたことを知れただけでもよかったんじゃないかなと思う。最後は彼女が望んだ普通の少女として死ねたから。てかそう思わないと私がやっていけない。
ほんっと〜〜〜〜にいい映画だった!
サントラも聞いたけど牛尾さんの表現力すごすぎて映画を見た気分になれるのでまだ聞いてない人はおすすめです。落ち込みます。