今日も酒と芸能の日だった。過剰に適応してサービスする癖をやめたい。きっと加齢が相応しい薬だろう。ああ。
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愛のいいところはその全貌を当事者しか知り得ないことだ。当事者であってもすべてを知れるとは限らないところもそう。外から窺い知れる結果からどれだけ巧みに逆算したとしても、その愛で起こったこと、その本当の過程は誰によっても知られることがない。愛は無法だ。覗き見ることも取り替えることも打ち明けることすらもできない閉じた関係に絡み取られてほしい。差し出すものやその程度を徹底的に間違えてほしい。
物語は公明正大で、時々その正しさのことを眩しく思うことがある。正しくない物語はいいね。
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甘栗をティッシュに並べ雨の日の旅番組をみる 外も雨 /谷川由里子『サワーマッシュ』
一枚の絵画や手のひらサイズのジオラマのような短歌。雨は拡散する気を閉じ込めて空間や認知を狭く狭くする。雨の日にする味がぎゅっとつまっている。