ここ1ヶ月、とある計画を進めていて私生活がかなり忙しくなると踏んで腕まくりしてたんだけどなぜか数週間の間に同行人と音信が不通になってしまい、大げさに振りかぶった企画が見事に頓挫しそう。この体勢から失敗ってできるんだ。正直慣れないことも頑張ろうと決めた矢先に出鼻をくじかれたわけだから、相当シュンとしないでもないけど、まあ、生きていればそういうこともある。うまいことやってこう。遺失物を引き取りに行く用事は変わらないんだけど、なんか、そんなんだったら別に慌てて行くのも癪だし、今週意味わかんないぐらい寒いし、それならと腰を据えて写真を撮りに行くことにした。都内で知ってる宿が取れなかったので、いっそ海まで数分のところに。ちょっと前に肉料理に玉砕したから、今は本格的に新鮮な魚介が食べたい気分だ。肉や脂が苦手な意識はそんなにない自認のはずだけど、香辛料で誤魔化さない味付けで癖のある肉をかっ食らうのはさすがに向いてないみたいだった。大陸に冷たい乾風が吹き荒ぶ。怒れる大きな白い馬。私は肉食民族にはなれないし、魔法少女は振り返らないし、何もかもが物事や人と噛み合わなくて坐りが悪くなることなんか生きている限りいつだってある。この文章だって心を映す鏡だから、今の私の居心地の悪さもどうにか伝わっているだろう。あまり気の利いたリズムが掴めていない。魂のグルーヴが乱れに乱れている。会場、キャンセルしなきゃだなあ。
*
写真とは、撮る瞬間の昂ぶりと撮った後の醒めとの激しい衝突と葛藤だ。何かのモチーフに心を動かされてたとしても、いやいやそんなものに騙されてはいけないぞと身構える気持ちと、いいじゃん徹底的に騙されてやろうよと笑う気持ちが半々ぐらい。だから、カメラからデータを吸い出す作業が一番苦手だ。結果を確かめる工程、現実がただ一つの可能性に決着することに向き合えない。