私は漫画を描くのが好きである。
だが、私は漫画を描くのが下手である。
こういうとなんだか心配させてしまうのでそうそう呟いたりはしないが、客観的に見て、漫画を描くのはめちゃくちゃ下手だと思う。数を描いていないのだから当然である。一コマ、四コマ漫画はある程度何とかなっていると思うが、四コマじゃないがっつり目の漫画はダメだ。基本的にカメラワークが絶望的になる。これは映像作品のインプットが少ないのが主な原因だと思う。
とはいえ、描かなければうまくならないので「カメラワークがへたくそーー」と思いながら漫画を描くことを止めない。そもそも漫画を描くのは好きだし、下手でも自分の漫画は「描きたいこと」があるから好きだ。上手くなりたいと思う。先日出したベケセオの会話もカメラワークがやっぱり絶望的だが、2P目の「この言葉が誰も言えなくなった時」「世界は本当に(中略)終わってしまうのだろう」の二コマは一回は描いてみたかった「同じ角度で表情とエフェクトだけ変える表現」なので、描いていてとても楽しかったし見返しては毎回ニコニコする。(下 参考)
キャラクターたちを深堀してなおかつ見てもらおうと思ったら、やっぱり漫画は強いと思う。反応があるかはまた別として、一枚絵だと分からない内面を描ける。深堀という点では小説が勝るが、目を惹くという点ではやはりイラストは強いから、必然的に漫画の方がさっくり見れると思う。適材適所。深堀をそこそこしつつ見てもらおうとしたら漫画は適材だ。(ちなみに、呟きは深堀しやすいが、あまり自創作を知らない人には「セオドアはこう」「ニケはこう」とか言われてもよくわからないだろうなと思っている。思っているが、呟いている時の私は何かを伝えようとしているというよりはあふれ出る衝動を出しているだけなので、別である。多分ずっと垂れ流す。)
だから、キャラの重要な部分は漫画で頑張って描きたい。下手とか言ってる場合ではない。描け芽高。1P漫画でも描いてくれ。
さて、ここからはまた違う話になる。
私は漫画を描くとき、特にギャグシーンではかなりセリフに気を遣う。あんまりにも長いセリフはギャグシーンのテンポと相性が悪いので、できる限り削る(上記のようなセオドアのマシンガントークは除く。あれは内容を読んでもらうことよりぱっと見の文字量が多いことが重要である)し、ツッコミがマニアックになった時はかなり悩む。例えば「「花子さんが来た」かよ」みたいな作品名ががっつり出るツッコミは元ネタを知らない人間には理解できないが、元ネタが好きだった人にはわかるツッコミだ。より多くの人に気軽に楽しんでもらいたいなら「そういう怪異かよ」くらいで収めておく方が良いのだが、場合によってはパンチに欠けるので、振り落とす覚悟で伏字ながら作品名を出す時もある。また、作品がほぼ完成しているのに、ツッコミのセリフがキマらなくて考え込み、最終的にボケまで変更することもざらにある。
そういう時、私は楽しくて仕方ない。セリフを組み替えて、一番気持ちいいツッコミを考えている時、気持ちよくキマった時。何度も見返してはニヤニヤする。
私は元々は文字書きとして創作をしていた人間なので、セリフを考えるのは苦ではない。モノローグも好きだ。最近は表情を描くのも好きなので、漫画は本当に楽しい。壊滅的にカメラワークがへたくそなのは本当にどうにかしてほしいが、伸びしろということにしておこうと思う。
ここまでつらつらと思い出すままに書いたが、とにかく私は漫画が下手で、でも漫画が描きたくて、漫画を描くのが好きだということである。おそらく今後も描いていくと思うので、あたたかい目で見守っていただけたら嬉しい。