マッチングアプリの恋愛は先出しジャンケンが強い

megaya
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マッチングアプリは顔や性格が大事だと思っている人が多いかもしれない。

大きな勘違いだ。重要なのはタイミングと早さだ。

ここ数年で50人以上と会って3人と付き合ってわかったのだが、「あ、付き合えるな」と確信ができる共通点があった。それは、予定があっさりと決まっていくことだ。マッチングアプリでは、スケジュールを合わせるということがなによりも大事なことなのである。

理由は単純だ。マッチングアプリはサバンナだからだ。女性も男性も並行して何人ともやりとりして、何人ともデートをしている。みなが肉食獣であり、みなが捕食される側なのだ。女の子と2回デートをしたからと言って、「付き合える」と思って安心したら終わりだ。その瞬間に知らない男に一気に持っていかれる。他の男がいるという選択肢を与えてはならない。「あっちの肉のほうが美味そうかも」という猶予を与えてしまったらTHE END。なので、チーターのような速さで狩りを制するのが成功の近道だ。(ちなみに男性側も同じ思考なので、ここに性差は関係ない)

そして、重要なのが「3回目のデートで告白する」という通説が世の中に蔓延しているという点だ。これによって、3回会うというミッションを1ヶ月以内にすばやくこなせる人が強いのである。他の男性と差をつけるためには、スケジュール管理がなによりも大事なのだ。マッチングアプリは先出しジャンケンできる男性が勝つ。3回会うまでのルート取りを最速で行える人が強いのだ。

そして、この先出しジャンケンの重要性は男性 対 男性に閉じた話ではない。男性視点で「この女性が運命の人ではない」と少しでも感じたら、早めに見切りをつけるべきである。なぜなら余計なダメージを生むことになるからだ。

私は今、マッチングアプリをやっている。先日、2回目のデートを終えて、3回目のデートを予定していた女性からこんな連絡が来た。

「ごめんなさい。好きな人ができました。次の予定をキャンセルしたいです」

強烈な先出しジャンケンだ。「好きな人ができた」と申し訳なさそうに言われたが、私はまだこの女性のことが好きではなかった。何人か連絡している中の1人としてしか認識していない。

しかし、私の心には会心の一撃が入った。青いイナズマが僕を責める、炎、カラダ、焼き尽くす、Kill You。

告白はおろか、告白をするかどうかすら悩んでいた相手から顔面パンチをもらってしまった。この先出しグーパンチは強い。ああ、痛い。鼻が折れてしまっているかもしれない。

私はたしかにこの女性が好きという気持ちには至ってはいなかった。しかし、付き合ってもいいかもしれないとは思っていた。生意気にも心のどこかで余裕を持っていたのである。「2回デートしたのだからいけるだろう。大丈夫だろう」と思っていたのだ。クソ野郎。

私は忘れていた、マッチングアプリがサバンナであることを。

私は忘れていた、自分が肉食獣であるということを。

私は忘れていた、女性からフラレるのは心が焼き尽くされる青いイナズマのような痛みが伴うことを。

百獣の王と言われるライオンの群れでさえ、狩りの成功率は20〜30%ほどしかない。それなのに、私は自分自身がミーアキャットのように臆病で弱いことすら忘れてしまっていたのだ。ただし、あの愛らしい姿のミーアキャットは砂漠のギャングとも呼ばれている。サバンナの中で弱かったとしても、この荒野では荒々しく雄々しく戦い抜かなければならなかったのだ。

ここはサバンナ。すべてのものが肉食獣であり、すべてのものが捕食者である世界。最初はグーなんて悠長なジャンケンをしている場合ではない。最初から顔面を全力でグーパンチして相手の鼻を折りにいくべきなのである。