今日で約八年勤めた会社を退職した。正式にはまだ在籍してはいるが、最終出勤日が今日で、あとは有給消化という形だ。と言っても、すぐに明日から次の職場へ出勤するので、全然休む時間はなかったりする。
正直会社はかなり勢いで辞めることを決めた(参照記事→https://sizu.me/meguru/posts/i7rhtz4ee23f)。会社の業績はコロナ禍でガクッと落ち込んだところから上向きになっていて、今期は黒字で終えられそうな感じのようだ。良いことである。私は会社の上司、ひいてはいまいちキリっとしない経営体制には物申したいことが山のようにあるが、一緒に働いていた店舗の同僚や、店の商品自体は好ましく思っている。だから店の売り上げが順調なことや、会社が良い方に向かってくれることについては素直に嬉しい。できればもっともっと早く、そうなって欲しかったけれど。
勤めた八年間のうち、正社員だったのは四年間だけだ。その前の四年間は非正規雇用で働いていた。私は社会に出たての頃、なかなかひとところで落ち着いて仕事を続けることができず職を転々とし、気付けばその職歴から見える社会的信用はガタ落ちで、面接に行けば「どうして辞めたんですか?」という質問に言葉を詰まらせてうまく喋ることができなかったりもした。当然、面接に受かるはずもない。だから私は、派遣社員から正社員として登用してもらえることを目標として、内向きの性格をどうにか外向きに捲って、経験もロクにない販売員として地道に働いた。
そうしてちょうど、世の中がコロナで騒がしくなる直前に正社員として登用してもらった。そうでなければコロナ禍の折に契約を切られていたはずだから、会社にはとても感謝している。正社員になった直後から世の中が一変して、売上が厳しくなり、会社そのものも厳しく、休業で給料がほとんどなかったときもあったし、心無い言葉を浴びせてくる客もそれなりの数いて、何もかもが順調というわけではなかった。特に販売職が向いているわけでも能力が高いわけでもなかったので、勤務すること自体は大変ではなかったが、苦しいと思うことは多くあった。転職先は販売職ではないので、そういうことがほとんどなくなると思うだけでも、ほっとしている。
それでも、八年もひとところにいるとそれなりに職場への愛着もあり、退職の決断そのものに悔いは無いが、一抹の寂しさはある。明日からは次の職場に行くのに、なんだか普通に店に向かうような気でいる。そんなことはないのにね。
もうきちっとした制服を着て売場に立つこともないし、金色のバッジを胸につけることもない。やれることはやりきった。売ることは得意ではなかったが、私の接客で商品を手に取ってくれた人がいて、「ありがとう」と言ってくれた人がいたことを、忘れないでいたいと思う。
明日からは全然違う仕事が始まる。正直、何をするのかよく分かっていない。車の免許を取ることもそうだが、覚えなくちゃならないことがたくさんあるだろう。不安もあるが、楽しみでもある。いいぜ、なんでもこいよ。そういう前向きさで臨むつもりだ。
八年間おつかれ、自分。そして、明日からも生きていこうな。