9/7のコミティアに出す本をアクセシブルにするぞ公開作戦会議メモ

mehm8128
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公開:2025/8/16

面白かったし、漫画のa11yは気になってたのでメモ。雑にメモってるから後から読んでも分からないかも。録音を聴くことを推奨。

「s:」が佐野さんで、「n:」がnakashinさん、(m:)が自分の感想

補足として、佐野さんも漫画を描いているらしい。

前置き

noteで公開。

画像のaltにはどういう画像かを記載。セリフやモノローグはnoteの本文に記載するのを想定。

事前に佐野さんが考えてきたテキストを基に議論。テキストはどこにも公開されていないけど、読み上げられていたので気になる人は録音を参照。

s: 難しいのは、1ページ1画像なので、コマ割りとか効果音が全部1つの画像になっているところ。複数のコマを合体させて演出している表現をどうテキストで表すか。

n: 本当に全部味わってほしいなら、小説に置き換えるべきなのでは?でも、みんなが見ているものをそのまま感じる体験もしたいだろうということで、今回はあくまで漫画を読めるような情報を提供する方針。

1ページ目

s: 回想かつ夢。外枠が黒く塗りつぶされているので、見える人には分かる。でも、「ピンポーン」から次のページに映ったタイミングで回想ということを気づいてほしい?

n: 描いている側としては回想ということは明示したい。問題はいつ伝えるか(1ページの最初に読み上げるのか、最後に読み上げるのか、次のページに行ってからなのか)。

s: 2ページ目の大人になった2人との対比で、このページでは小学生ということを表したいので、「6-3」を明確に「6年3組」と読み上げさせたかった。(m: 1コマ目を見ただけだと、この2人が関係者ではなくてたまたま見つけたタイムカプセルとも捉えられるので、これだけだと小学生ということが伝わらないような気がする)。

n: 2人は主体的にではなくて、6年3組として埋めたものに巻き込まれた立場という含みも入れている。

s: ただ、「一同」を含めてしまうと読み上げだけ情報を入れすぎなので、入れない方がよさそう。

n: 「ピンポーン」をどこまで説明するか。「屋外に似つかわしくない音」まで入れる?

s: 多分入れすぎ。

n: 知ってほしい・気づいてほしい、で説明しすぎちゃう...。想像する余地を奪わないか気をつける必要がある。

s: キャラに名前がないので、誰のセリフかを毎回説明するのが大変。見た目に依存すると回想のときと見た目が変わってたりするとややこしい。

「ミステリアスな女」と「日焼けした少女」で一旦進んだ。参加者の方から、「ミステリアスな女」は、「目の下にほくろがある女」だと回想でも変わらないからよさそうという話も出ていた。

2ページ目

s: モノローグ「...昔の夢を見た夜、」「友人が訪ねてきた―――...」の入れ方に悩んだ。最後に2つとも入れてるけど、レイアウト通りに入れるべきなのか。

n: 書体を変えてある部分を、声色を変えて読み上げたりすることができない以上は、今のままでしょうがない。(m: 漫画の読み上げ用に、オノマトペやセリフ、モノローグとかで声色が変わるような読み上げツール・プラグインがあったら面白そう)

s: 基本的には日焼け女目線で書いているけど、2コマ目は外でミステリアス女目線を見ている視点なので、そこも入れようか迷う。

n: キャラ目線というよりは、舞台で再現されたときのお客さん目線がよさそう。つまり「マンションの外に誰かが立っている」のような説明も必要。スーツケースは次のページまで明示しないでおくか迷う...。

s: スーツケースはこのページではあまりアピールされていないので、説明しないでよさそう(見える人もそこまで注目しない可能性がそこそこある)。

s: (コメントを受けて)やっぱり1コマずつ説明するべき?ちょっと長い気もする。

n: テンポも大事だけど、1コマずつ知れた方がいいかも。テンポを重視するなら、ドラマCDとか。 ノベライズとかかも。

s: 「えっ」の吹き出しについている「ビクッ」みたいな表示も説明したい。驚いている説明をする。でも今回はセリフだけで既にびっくりしてることは伝わるし、なくてもいいかも?

3ページ目

s: 喋ってないけど思っている雲みたいな吹き出しは丸括弧で書いている。モノローグもそうするべき?「日焼け女: (・・・昔の夢を見た夜)」みたいにすると、誰が思っていることなのかが分かりやすくなるので。

s: 前のページのモノローグからの続きなので、最初にモノローグを読み上げる。「タイムカプセルを埋めるために――」

n: それを考えて改めて見ると、発言者は違うもののセリフとモノローグが重複してるので、モノローグいらないのでは?

n: やっぱりセリフから続いてきてるから、セリフ→モノローグ→タイトル。モノローグもやっぱりあってよさそう。代替テキストまでちゃんと考えようとすると、感覚で描いていた部分を改めてなんでそうしたのかが言語化できて面白い。

s: 前のページで「久しぶりだね、どうしたの?」とかにすると、「友人」をモノローグに入れなくてよくなりそう?無限に考えられそう。

4ページ目

s: 同じ人から吹き出しが複数あるときに、カギ括弧を分けるべきかどうか。ちょっと冗長そう。

s: ここは特に、1コマずつ説明した方がテンポ感が伝わりそう。

n: 「冗談で言ったけどマジレスされた」を伝えたい。「ミニキャラにすることで何を表現したかったのか」を書く。

s: でかいスーツケースの大きさの表現。「1週間くらい旅行に行けそうな」「腰くらいの高さの」とか?何Lだと多分伝わらない可能性がある。でも、次のコマで「人間入りそう」って言ってるから最初のコマではいらないかも?

n: 会話によって生まれた空気感について。この2人の関係性について「ミステリアス女は、会話が成立しにくい人」「日焼け女の突っ込み方」を表現したかった。空気感については「不穏」ではない。

s: 本気で驚いているのではなくて、冷や汗かいて驚いている理由は?

n: 「こんなでっかいスーツケースを埋める?」を何か理由があるのだろうと思いつつ、冗談を交えながら聞いている感じ。

s: 「当たり障りのない質問を~」まで書くのは書きすぎ。

まとめ

s: 前に出した別の作品だと、叙述トリック的なのがない、回想がない、人に名前がついている、などでもう少し簡単そう。

n: 2回目に読んだときに面白く読めるのを大事にしているけど、読み上げにしたときにどうなるのかが想像できていない。

s: 読み上げでも伏線部分に戻ってくるのは同じで、「そういえば冒頭でこう読み上げてた」みたいな体験にはなりそう。

s: noteの見出しなどでページ番号を振ったりして、戻りやすい仕組みがあると良さそう。でも何度も読み返しているわけではない限り、ページ数をちゃんと覚えているわけではないので、ページ番号はなくてもよさそう。1画像1ページになっているので、大体何番目の画像、みたいに探せそう。

n: 代替テキストを付ける人が作者とは別の人だったときに、複数の選択肢が出てきたときにどのテキストにした方が面白くなるかを、作者以外の人が決めることになるのが面白い。

(演劇の脚本(ト書き)にちょっと似てるみたいな話があった。)

s: 「言った」「やった」だと単調になるので、「力説した」のようなより具体的な単語を入れる?

n: 読み上げ版を聴いた人がどんな内容だと理解したか聞いてみたい。

感想

「漫画をアクセシブルにする」を考える漫画家さんがいると思っていなかったので、良かった。語彙力が求められそう。ある程度知見が溜まったら、ベストプラクティス集・代替テキストの付け方の選択肢集みたいなの出してほしい。

漫画だとWebサイトの画像の代替テキストと違って、ネタバレを含まないようにどこまで説明するかが難しい。Webサイトのaltはある程度AIで代替できそうだけど、作者の人をちゃんと汲む必要があるので、これは代替できない作業っぽい。とはいえ自分でもやってみたさはある。

通販でも売るらしいので、続き読みたい。32ページくらいらしい。

@mehm8128
Cybozu / ex-traP / Frontend Engineer