香りの話

meishang
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好きなモノの好きなところについて書いたり話しているとき、私は一番元気になります。

最近自分の中で「これは私の香りだな」と思える香りが確立されつつあるので、今回はそれらについて書いてみます。


私のスターティングメンバー

一番左奥→右奥

  1. BULY×ルーヴル美術館コラボシリーズ「大工の聖ヨセフ」のボディオイル

  2. Santa Maria Novella バスソルト ザクロ

  3. CDG PARFUM Grace by Grace Coddington

中段左→右

  1. KneippBio Oil ローズ 20ml

  2. O BALM 45ml ゴールド

  3. @aroma Personal air "TRUST"

  4. GOLCONDA TAROT et PARFUM <ⅩⅢ. LA MORT / 「死」(生命の息吹)>(旧ver.)

一番手前

  1. faye botanica オーダーメイドアロマオイル "011"の香り

それでは早速一点ずつ思い出話を綴っていきます。先にご容赦いただきたいのですが、アイテムによっては香りの詳細よりも着用時の気分の話が多めになるかも。温かい目で見守って頂けたら幸いです。

1. BULY×ルーヴル美術館コラボシリーズ「大工の聖ヨセフ」のボディオイル

BULYを知ったのは、数年前大好きなランジェリーデザイナーのYuvi Kawanoさんに教えていただいたのがキッカケ。元来アンティークや歴史があるもの、伝統と格式、オーセンティックなものに目がないのですが、自分への誕生日プレゼントにキャンドルを購入して以来どハマりし、節目のタイミングにお迎えしたりしております。

さて件のボディオイルはルーヴル美術館コラボアイテムで(今は廃盤。復刻してくれたら泣いて喜んじゃう)、名前の通りジョルジュ・ド・ラ・トゥール作の絵画「大工の聖ヨセフ」がモチーフの香りです。

ジョルジュ・ド・ラ・トゥール作「大工の聖ヨセフ」

(パブリックドメインより引用)

キリスト教の宗教画には疎いのですが…しいて言えばイエスの磔刑のイメージが強くて恐怖心が勝ることが多い中、唯一好きなキリスト教の宗教画かもしれない。

ヨセフが扱う木材はやがてイエスが磔刑になる運命を暗示していたりして不穏さもあるけれど、それよりも蝋燭の炎のやさしい明るさや温もりの表現の繊細さに惹かれます。あとは普段の生活のふとした瞬間を切り取ったような穏やかさも感じる点も好きな理由の一つ。

購入当時は冬だったので重めのこっくりとした香りが欲しくて店頭に立ち寄り、希望を伝えたところ『それならば!』とご紹介いただいたのがこちらでした。ピンポイントで好きな絵画だったし香りも欲しかったイメージにぴったりだったので、抗えずお迎えした次第です。

開けるとスモーキーで重厚感のある木の香りが最初に来て、その後からやさしい甘さが香り立つ。香りの持続時間も長く、入浴後につけて寝ると翌朝には寝具にほのかに香りが移り、まるで安心感に包まれてる感覚になる点も好き。余談ですが安心して布団にくるまれる瞬間はこの世で一二を争う程幸せな瞬間だと思っている。

(BULY公式サイトより)

琥珀、ベチバー、シダーの宵、黄金のオレンジの花とインセンスの明かりがともる。スパイスとドライハーブの香る灯火は、パチパチと音をたて霊を追いはらう。聖なる瞬間を目前に、止まる仕草。選ばれた者の心から神の光が放たれ、闇をしりぞける。”この絵を見た瞬間、香りのイメージは頭に浮かびました。そして次の瞬間にはこの絵の前に立ちながら、頭に浮かんだその香りを実際に再現したいと考えていたのです。この絵画の明度の低いパートを表現するのは、強めのウッディの温かい香り。そして魅惑的な光のパートはイノセントで朗らかな香りで表現したいと思いました。コントラストの強い香りです。まさにこの絵のように。温かみのあるアンバーのような香りと、よりシャープな香りのコンビネーションです。シダーウッドとベチバーで木を表現し、ピンクペッパーとインセンスで朗らかな明るさを。イノセントで幼い表情をわずかに出すために、ヴァーベナのアブソリュートとオレンジブラッサム、ビターオレンジを加え、少しだけ柔らかく仕上げました”シドニー・ランセッサー(調香師)

2. Santa Maria Novella バスソルト ザクロ

"世界最古の香水"については諸説ありますが、一説にはサンタ・マリア・ノヴェッラの「アックア・デッラ・レジーナ」と言われており、その香りを確かめに行ったときに購入したザクロの香りのバスソルト。

淡い桃色のバスソルトを溶かすと少しスパイシーな香りが立ち昇ったあと、メインのザクロの香りとそれを引き立てるローズたちが香り立ちます。

塩といえば「お清め」のイメージもあるし、『なんか疲れたな』や『良くないものに憑かれてる気がする』『癒されたい!』ってときに使ってます。お店の方曰く、赤ちゃんにもOKなバスソルトだそうでそれが決め手で購入を決めた経緯もあります。ちなみにバスソルトとしては高級な部類に感じるのですが、我が家は浴槽が小さいのもあって一年以上保っています。しかもまだあと数ヶ月分はありそう。案外コストパフォーマンスは良いのかも。贈り物にもお勧めです。

あと、ザクロってすごく宗教的なモチーフじゃないですか。そういう点においても好きです。何だかんだ私は禅寺や修道院や神社とかそういう場に惹かれがち。それは自分の中に「見栄や権力や俗物的なものから離れて高潔で在りたい」気持ちがあり、その象徴的な場の最上級だと感じるからこそ惹かれてしまうんだと思います。

ちなみにサンタ・マリア・ノヴェッラのルーツ自体も1221年のフィレンツェで、ドミニコ会の修道士たちが修道院を設立したのが始まりですからね。

3. CDG PARFUM - Grace by Grace Coddington

(DSMG E-SHOPより画像を引用)

はい!かわいい!

と、素を隠さずにいられないほどマイベスト香水です。

商品としてはコム・デ・ギャルソンとVOGUE USAで28年間クリエイティブディレクターを務めたグレース・コディントンのコラボレーション香水。その彼女の愛するもの、長年愛し続けているイングリッシュローズを源にし、またボトルキャップは彼女の愛猫であるペルシャ猫の“パンプキン”と“ブランケット"から着想を得て創り上げた一品。

私は狂信的な猫信者なので完全に一目惚れでした。香りも一嗅ぎ惚れってやつ。普段財布の紐キツめの私の箍を外した香水でもあります。こんな可愛い子無視できないよ!そしてグレースさんもとてもおちゃめなマダムでして、こんなチャーミングなマダムになりたいです。私の憧れ。

グレース・コディントンのInstagramはこちら

香りは「猫ちゃんたちいたずらっ子なのかな?」と思えるような弾ける爽やかさのあるトップノート、お庭で日向ぼっこして陽だまりに包まれてる映像が浮かぶような、まぁるくて優しい花の香り。そして「眠くなっちゃったのかな?」な雰囲気のボトムノート。お日様を浴びた猫ちゃんって焼きたてのパンのような幸せな良い香りがするんですけど、猫の1日を追体験してる気持ちになる香水です。あくまで個人の主観ですが。

着けるとウキウキお出かけしたくなるし、パンプキンちゃんとブランケットちゃんの2匹に守られてるというか足元にすりすり来てくれるあの幸せ感に包まれます。なので一番私らしい香水だとも思っています。

今の分がもうすぐ切れるので、同じのを買いたいのですが軒並み在庫切れで今必死に捜索中です。無いと困る😿

もし販売店を発見した方は何卒ご一報をよろしくお願いいたします🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️海外からの取り寄せでも構いません!

【香りデータ】

トップノート: ベルガモット、ミント、バジルの葉、カルダモンとピンクペッパー

ハートノート: モロッカンローズ、フリージア、ピーチブロッサム

ボトムノート: ベチバー、カシミアウッド、ホワイトムスク、アンバー

…余談ですが、グレースがルイ・ヴィトンとコラボしたこのクルーズコレクションが本当に可愛くて、生まれて初めてヴィトン店内入ったのを思い出した。あいにく即完だったようでこの子には出会えなかったけど未だに思い出しては「何卒うちの子に〜!!!🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️」と願掛けしてる

https://www.fashionsnap.com/article/2018-05-30/louis-vuitton-cruise-grace-coddington/

4. KneippBio Oil ローズ 20ml

ネイルオイル失くした!と思って先日の岡山旅行用に慌てて買った一品。慌てて買った割にはThe ローズな中身なのに、香りが甘すぎず意外と使い易い。(個人の主観です)

国際線の場合、機内持ち込みの液体は100ml以下と定められているため、普段必ず持ち歩く口紅やハンドクリームに対しては「これは機内持ち込みできる容量か…?」とついつい確認してしまう癖があります。ちなみに今回は国内線に搭乗したため国際線と異なり液体物の量的制限は無かったと後になってから知りました。でも、いつ如何なるときも飛べ立てる準備をするのは何だかんだ楽しいので、この習慣は今後も続けます。

その後紛失したオイルは見つかりました。ただ後述しますがそのオイルは制作者の方が海外に転居したため現時点では販売終了中。なのでそれを使い切ったらクナイプをリピ買いする予定。全国どこのドラッグストアでも大体買えるし、顔含め全身使えるし、ワンコインでお財布にも優しいし、何より国際線に機内持ち込みできるからね!(大事なので2回言いました)

【配合ハーブ】サフラワー、オリーブ、ローズヒップ(カニナバラ果実油)、ダマスクローズ

5. O BALM 45ml ゴールド

この中で唯一のシトラス系のすっきりした香り。これはこれでやはり好き。

最近美容師さんから、私の髪質(太・硬・多で広がり易い)にはオイルとバームの中間が良いと教わりました。

マルチバームなのでリップ・ハンド・ヘアに使えるところが「荷物減らせてええやん!しかも機内持ち込みできる容量!(最終的な決定打はいつもこれ)」 だったことと、嗅いでて頭がスッキリする爽やかさが気に入ってます。よりタイトなウェットヘアにしたいときはここに少しオイルを足したりもします。個人的にいつもの素の状態自分スイッチをONにしたいときはローズ系を着けてて、仕事で頭使うときはこのバームという風に分けて使ってることが多いです。

とはいえ、漆は油分を嫌う性質があり、ベッタベタの手で触ろうもんなら硬化しなくなるので、実際は仕事の休憩時間でしばらく漆を触らない時や、就寝前に着けることが多いです。

【香り】オレンジ、ラベンダー、マンダリンオレンジ、レモン、ライム、ローズマリー

6. @aroma - Personal air "TRUST"

@aromaは商業施設やホテルなどの空間を香りでプロデュースする専門企業。

プロダクト名の「TRUST(信頼・信用)」の通り、この香りのコンセプトは『誠実で慎み深さのある、落ち着いた木質系の香り』です。

この香りは残念ながら廃盤になってしまったのですが、まるで森林の中にいるようでホッとします。我が家では定期的に金継ぎ教室を開講しているので、いらした生徒さんが落ち着けるように、そして私自身も誠実に向き合うことを常に胸に留めておけるようにの願掛けの意味で香らせてます。

【香り】ヒノキ、フランキンセンス、パチュリ、コリアンダー、ジュニパー他

↓購入したキッカケを書いた当時のインスタ記事

7. GOLCONDA - TAROT et PARFUM <ⅩⅢ. LA MORT / (死)「生命の息吹」>(旧ver.)

京都にある香りとアラビック雑貨を取り扱うお店「GOLCONDA」さんによるタロットカードモチーフのプロダクト。

制作意図としては「新たな始まりの香り」をイメージして調香されたそう。私が持っているものは旧ver.で、現在は装いも新たなリニューアルver.が販売されているので、気になる方はチェックしてみてください。

第一印象は「高級葉巻」と「森の中で獣の骸が分解され土に還り草木が芽生える様」を見たような気がしました。率直に言うと苦くてとても重い香りかな。そのあとに若葉のような青々しい香りがやってくる感じ。

死の重苦しさ、苦さ、喪失感、別れの悲しみ、傷なんて簡単に癒えない。それでも時は無常に流れる。良くも悪くも時の流れによって少しずつ乗り越えられたり、そこから新たに生まれるものも確かにある。

この頃いつも以上に仕事の向き合い方に悩んでおり、オラクルカードを一枚引きしたら出てきたのが「死」のカードだったので思わず『見透かされてるやんけ!』と大爆笑してしまいました。そういう経緯の影響も多少ありつつ「心から信頼できる相手とだけ仕事をする、搾取するような相手との縁は終わらせる」=終わらせるための始まり、転じてこのカードの象徴である『破壊と再生』に2023年を費やしていた気がしています。今振り返るとそう思う。

この香りを身につけるときは「決着をつけたいとき」「心が鉛のように沈んでしまって一人で静かに気持ちと向き合いたいとき」。ちなみに購入するとその香りのタロットカードが一枚付いてくるので、私はこのLA MORTのカードに香りを一滴染み込ませてお守り替わりにお財布に入れてます。最近忘れがちで疎かになっちゃってるけど、そうするとお財布開くときやお札をお支払いするときに香りが漂うのが良い。

【香り(旧ver.)】ネロリ、サイプレス、サンダルウッド、自家抽出のモミエッセンス

8. faye botanica オーダーメイドアロマオイル "011"の香り

購入当時の記録はこちら↓

faye botanicaさんのオーダーメイドオイルはかねてより欲しかったアイテムで、確かグループ展か何かが終わった後に「自分お疲れ様!」の意味を込めてお迎えした記憶があります。

(現在ご本人は海外に転居したためこの商品も今は販売がありません。そういうのばかり紹介しててすみません。でも私が好きで仕方ないもの勝手に紹介する場なので諦めてください←)

こちらのオーダーメイドオイルは全30問くらいの質問に答えていった(ex.どんな景色が好きか?、好き/苦手な香り、理想の存在は?そしてどんな人になりたい?etc...)結果作られた正真正銘私のためだけの香りです。

身につけると私の理想「良い女感」「女帝感」を纏える気がしてます。それに単純にやっぱりローズの香り好きなので、それだけでも気持ちが高揚します。あとこちらも機内持ち込み可サイズなのが良いですね(4回目)

本当は3ヶ月くらいを目処に使い切るのが成分的にお勧めなのですが、物持ちが良すぎてずっと使っております。でも非推奨の使い方なのでその点はご理解ください。ちなみに失くしてたけど無事見つかったオイルとはこの子のことです。

【成分】ホホバオイル、ローズヒップオイル

【香り】サンダルウッド、イランイラン、ローズ、クローブ、シダーウッド、オスマンサス


終わりに

書いてみたら「ここが好きなの〜!!!」ってところが湯水の如く溢れ出してしまい、気付いたら6000文字も書いてしまいました。長い。

なので気になる項目だけ読むもよし、全部ご覧いただいた猛者の方はもし私と会う機会があればその時は固い握手を交わしましょう🤝

以上ミカでした。

@meishang
漆を塗ってます。 annonbymika.com Instagram www.instagram.com/annon_by_mikatajima TwitterもといX @firstbeginning