2/9(金)
年が明けて1ヶ月が経ち、ふと思い立って地元に帰ることにした。帰省は3年ぶりのことになる。新幹線こだまに格安で乗車できるプランを日本旅行が出していたので、それじゃあ PHP カンファレンス関西2024 に参加するついでに、といったことが帰省を決めた理由だ。
久しぶりの地元はとても寂れていた。福岡市のベッドタウンくらいの規模だったと記憶していたのが、終電間際とはいえやたらと駅の周辺が暗い。駅前には24時間経営のチェーン居酒屋などもなく、かろうじて 24:00 までやっている牛丼屋が1軒のみ。福岡〜新大阪の4時間の旅をおえ、とにかくお酒とあたたかいご飯を求めていた身体には、失望感でクるものがあった。
※福岡のベットタウンのイメージ
外食は諦め、まっくらなロータリーからタクシーに乗った。タクシーには GO アプリのシステムが搭載されている。運転手とは一言も喋らず、ただただ決済用のタブレットでCMをみ続けた。人見知りには良い乗車体験だ、GOの社長が鼻につくということを除けば。
実家の近くのコンビニでタクシーを降り、間に合わせのお酒とご飯を買おうとした。大阪の店で買い物をするのも3年ぶりということになるが、そこの店員の態度がやけに横柄だった。大阪の人はこうもひどかったか?と訝しんで見てみると、小学校の同級生だった。たしか、14~5年前も同じコンビニでバイトをしていたはずだ。(そのときからずっと働き続けていたかは不明だが)
相手も私のことに気づいているようで、「袋は?」と引き続き辛辣な聞き方をしてくる。私はとっさに外国人のふりをして、「No Thank You.」と流暢な英語で応えた。片手にキャリーケースを持っていたので袋はとても欲しかったのだが、ただ、私に気づいてほしくない気持ちが勝った。
この寂れたまちで一生を過ごしていく人は、思ったよりもとてもたくさんいるのだろう。寂れていても、人口は増えている。わたしが抜けるかわりに、しらない人がふえていく。
2/10(土)
3年ぶりに会った祖母は変わらず元気そうだったが、趣味だった農作業はやめてしまったようだ。今は大半の家事を母に任せて、応接間でテレビを見るか、近くに住む大叔母(祖母の姉)と世間話をしている。料理もやめてしまったようで、祖母の料理がもう食べられなくなったのだとおもうと、途端にこの3年間、実家に帰っていなかったことをもったいなく感じた。
家の窓から遠くまで見える広大な私有地も、一部は貸し出してはいるが、そのほとんどが使われる予定もない休耕地になっているそうだ。いずれ、父母や兄・私がその土地を相続しなくてはいけないと思うと、とても気が重い。祖母が亡くなってしまう未来を考えること自体も気が重いが、やはりそれは避けられないから、法律やITに多少くわしい兄と私がしっかりと準備をしていかなければならないと強く感じた。
でもそれは未来の話であって今の話ではない。今のわたしは、祖母に会うためだけに実家に帰る、という行動をなにより優先すべきだと思った。
実家に住むという選択肢は自分の中には今のところないが、すぐに実家に帰ることのできる関西圏に住むのは、とても良い案に思えた。
2/11(日)
PHP カンファレンス関西2024 に参加した。たのしかった。
2/12(月)
久しぶりの地元なので、付近を散歩することにした。万博記念公園、箕面の大滝、勝尾寺と地元の名所をぐるっと回った。
※箕面の大滝(観光協会のサイトから)
あとで計測したらこの日は 40km くらい歩いていたようだ。自慢じゃないが、私は 100km くらいの道のりなら20時間ぶっつづけでも難なく歩ける。(中学時代の部活や、家族旅行でいった白山縦走のほうが何倍も辛かったから)
名所はまぁ目の保養くらいにはなったのだが、いかんせん、幹線道路沿いに大型倉庫が乱立しているのにはげんなりした。
倉庫はとにかく巨大で、空を圧迫していた。高い建物がないから、朝日と夕日だけがきれいに見えることだけが地元の唯一の取り柄だと思っていたのに、遠くをみると、どこにいても太陽は倉庫に翳ってしまう。
高速道路にすぐに乗ることのできる「立地」にしか価値がないから、土地の使い道も倉庫以外にはない。価値があるのかないのかわからない立地に、三菱とAmazon は目をつけた。昔から、東芝も小林製薬も帝人もここに工場を構えていたので、その点についてはもう何も言うまい。
2/13(火)
MTG の予定が数件入っていたので、新大阪駅近くのコワーキングに入って仕事をした。
全国展開のコワーキングスペースではあったが、低いソファとテーブル席、もしくは背もたれのない硬い椅子と狭いカウンター席のいずれかしかなく、仕事がまともにできるような空間ではなかった。また周辺にはランチをやっているお店がなさすぎるなど、もろもろあって新大阪には失望した。「新」がつく駅は何をやらせてもだめだ。
大阪、楽しかったのでまた近いうちに帰ります。