展示がすごくよく、記事を漁っていたときに見つけたライトの言葉
「何か始めるときは理想の普遍的な概要の方がプランやモデルより重要だ。一度心にはっきり理想が刻まれれば、プランは全く自然に湧き出てくる」
水上さん:コルビュジエやニースなど多くの建築家は完成品に至るまでの案をたくさん残していますが、ライトにはそれがほとんどなく、完成品があるだけ。ライトは実際「心の中で完成するまで一本の線も引くな」とも言っています。
ライトは建築家として多作であるだけでなく、著作も多く、20冊以上に上る。そして自著を増刷する場合は徹底的に推敲を重ねたといい、真っ黒になるほど書き込まれた本や原稿が残っている。このことから、「ライトによる理想の建築の探求は、言葉によってもなされていたと言えるのでは」と水上さんは推測する。
「世界に抗してでも真実を求めろ/Truth against the world」
上は、母方の親戚であるロイドジョーンズ家の家訓。水上さんは、「根拠、本性はなんであるかを見出そうとしてなんとしてでも根本に進みゆくというライトの生き方は、まさに家訓そのもの」と説明する。
「天才とは自然を見る目を持つ人である。自然を感じ取る心を持つ人であり、自然に倣う勇気を持つ人だ」 ——ウェールズに伝わる天才の定義
こちらは、ライトが晩年によく引用していた言葉。ライトは前出の家紋を、この「3つの天才」を示すものと解釈していたという。