2024/3/10

meme_letter
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電話越しに聴く恋人の声は、どこか晴れないままに雲行きはますます怪しくなっていく。自分以外の全ての他人から遠ざかるように雲に隠れてしまいそうな時、頭の中にぱっと浮かんだイメージ、それは手を取ることだった。そして、取った手を離さないことだった。それが私の意志だった。世界中でたった一人のあなたの手を取ることが私の意志だった。そう思って必死に言葉を紡いだ、遠く離れた土地にいるあなたの手を取って離さないように。

婚姻届の証人をさせてくれた友人が大学1年生の頃に「この曲を貴方へ」と言って歌ってくれた曲を思い出した。その曲、スピッツの「運命の人」はこんな出だしで始まる。

「バスの揺れ方で 人生の意味が解った 日曜日 でもさ 君は運命の人だから 強く手を握るよ」