2024年は、1ヶ月につき1万円を書籍代に充てることにした。他の用途に充てられないように、月の初めに図書カードを購入し、そのカードで1ヶ月書籍を買うことにした。
それで、今日は地元の本屋に行った。店員さんはちょうど小学校の頃の友人のお母さんだったので(彼女は今この本屋の店長だ)、新年の挨拶をしながら、ルノワールの絵柄の図書カードを購入する。
早速その本屋を物色し、村上春樹の『アンダーグラウンド』を買った。以前、友人(この友人は児童養護施設の職員として働き、いつか本屋を開きたいと思っている)に薦められたことを思い出したのだ。
読み始めてから、年末に長野の平安堂で買った『言葉を失ったあとで』とリンクすることに気づいた。『アンダーグラウンド』は地下鉄サリン事件の被害者へのインタビューであり、『言葉を失ったあとで』は、性被害者へのカウンセリング・調査を行う臨床心理士と社会学者の対談なのだ。どちらも、「被害者」、「話を聞く/話す」というところが共通している。
「被害者」に対する話の聞き方、「被害者」の話し方に興味があるのかもしれない。別に被害者という点に拘っているわけではなく、人が話すことを聞くことの技法に関心がある。
大学の頃から、どのような問いがその人を自己開示させるのだろうかと思っている。問いだけでなく、話を聞く態度や、話を捉える形式など、話を聞くことの技法があると思っている。だから、読んでいる。
今回2冊を読んでいて思ったことは、人が自分のことを話す時に「物語化」することだ。人は、自分に起きた出来事や体験を物語として語ることで、自分の中に納得させる。その物語化は、女性の方が発揮しやすく、自分を納得させる/慰撫することにつながるようだ。(これは『言葉を失ったあとで』の方で記載があった。『アンダーグラウンド』では男女の語りの差異はあまり感じないが、特に鉄道会社で働いていた男性は、仕事に対する責任によって、納得させることが多いように思った。)