2024/1/17

meme_letter
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レイトショーを観に行った。映画のタイトルは「カラオケ行こ!」。原作の漫画に思い入れが深いのもあって実写化に全く興味がなかったのだが、天秤座(つまり審美眼がある)の友人から「評判が良くて気になっている」を連絡をもらい、その連絡の3日後の今夜、新宿で一緒に見に行ったのだ。

その映画の開始1時間前まで仕事が終わらずに無理に切り上げる事にした私は、映画館に向かいながらこの予定を入れたことを激しく後悔していた。「なんでこの時間に仕事ができないんだ」と思っていた。しかし、映画が始まった瞬間、深く座席に背中を預けながら、ああ観に来てよかった、仕事から思考の距離を置くことができて良かった、と昨日から続く忙殺の時間からようやく人心地がついたのだった。

映画終了後、新宿駅の改札の前で、ひっきりなしに人が来ては去っていく中で、友人と少しばかり近況を話した。彼女は今の職場で職種転換をしようとしたところ、新卒とほぼ同様の採用面接を受けることになり慄いていた。「あなたが頑張るならわたしも頑張る」と言われて、お互い頑張って美味しいものでも食べようと言って別れた。午前0時過ぎの山手線は空いていて、ぼんやりしているうちに帰宅していた。

帰宅後、すぐに風呂に入り、弁当箱代わりのタッパーと朝食で使ったコップを洗い、ベットメイキングと肌の保湿、髪を乾かし、歯磨きをしてベットの中にいる。

どんなに遅く帰ってきても習慣化された行動を行うようになった自分と、先ほどの映画を思い起こしながら、この習慣を私に身に付けさせた今はここから離れた遠くにいる人のことを考える。この言語化ではすり抜けてしまうような身体的な習慣こそが、私にもたらされたある種の「救済」と言えるのではないか。人が人を救えるとしたら、それは意図的ではなく、予想外で、バタフライエフェクトのようなものだと私は思う。