2025年ボカロ10+1選

「め」
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公開:2026/6/30

去年の10選を作ったはいいものの文章が書けてないから~というくだらない理由で公開を後回しにし続けた結果、上半期の終わりまで来てしまった。しかも今年は上半期の10選も作れる気がしている(自分の作り方的に、特に好きな曲を並べて10曲に満たなければ作成はしないが)。ここで書かないと永遠に出せないと思ったので無理やり記事だけ起こしてみた。

とりあえず置いておくというところを重視したかったので、とりあえずクオリティは気にせずにってことでこちらに。いい具合だったらnoteにも書こう。

体裁は無視してさっそく1曲ずつ投下。Youtubeにあればそちらの埋め込みでいく予定。


BLUE BACK / じん【Official MV】

今年のマジカルミライで演奏されなければ私はキレるだろう。(ていうか去年の時点で割とキレてた気がする)

じんさんほどシーンに貢献した人の曲が、2013年のカゲロウデイズ以降のマジカルミライで演奏されていないというのは許されない事態だろう。ボカロライブ代表みたいなツラしてるマジカルミライで、だ。彼の描く青に焼かれたリスナーは今も昔も数多くいると自分は信じている。青だし"湖のソナーレ"というテーマにも合ってるっしょ。(クソ理論)

これをマジカルミライ、もといライブで聴きたい理由は一つ。ギターを叫ぶミクさんが見たい。セツナトリップでもその音が鳴るならでもない、この愛らしさとか欠片もない誰かに叩きつけるような魂の咆哮が現地で聴けることを期待している。

曲単体の話。ロック迸る曲調に対してビートは意外にも4つ打ちが大部分を占める。にもかかわらずダンサブルな印象より走り出したくなる推進力が感じられるのは、サビや間奏ではクラッシュシンバルを表で刻んでいて、裏をとっているAメロはハイハットの音を小さくしており、表への比重が大きいのが影響していると思われる。あとはギターやベースのリズム取りもあるかもしれない。こっちは門外漢なのでそんな気がするというだけでよくわからない。

あとは1Aの4小節おきにくるフィルが新鮮だった。自分がこれまで聴いてきたじんさんの曲でこういったフレーズを使う記憶がないからだが、自分は氏の手掛けたすべての曲を聴けているわけではないのでこういった引き出しがあるということなのか、それともドラムを担当したジャンクさんのアイデアが反映されているのか。

ミスターシスター / フリードリヒ feat.初音ミク

ボカコレ2025冬の投稿作品。正直な話、聴いた曲たちをほとんど覚えられていない。この回までボカコレ用に別でマイリストを用意していたが、自分のためにもうやめた方がいいなと強く感じた記憶がある。そんな中で個人的に一番聴いていたのがこの曲。2番目はたぶん花びら、それにまつわる音声(Spotifyでよく聴いてた)。あおばの足音とか生命とか、今改めてすごく良いと思う曲ももちろんあるんだけど、基本的にマイリストから聴く時はボカロ用の雑多マイリストから再生することが多く、ボカコレごとに分散されてるとそれだけで再生する機会が明確に下がる。自分の再生しやすい場所に置かれているかどうかは大事だなと痛感した。場所が切り離されるから自分史的なアーカイブ性も下がるし。

横道に逸れすぎたのでそろそろ曲の話をしたいが、ぶっちゃけこの曲は個人的に「どこが好き」と明確に言えないタイプなので話すことがない。強いて言うならたぶんボーカルがすごく好きなんだと思う。こういう曲調をこの声質のミクが歌うことに魅力を感じている、気がする。合成音声の声ってボカロ曲ならではの魅力だなと、当たり前のことを言ってるかもしれないがそんな風に思う。こういう曲に出会ったとき、あぁボカロを聴いていて良かったなーと思う。

ダーリンゲームオーバーラブ feat. 初音ミク / マイキP

マイキPの曲はもともと赤裸々かつ暴力的な心情を吐露する歌詞が好きで追っているのだが、この曲はまた違った意味で虜になった。

歌詞をそのまま受け取るのであれば、いわゆるホス狂いの悲恋を歌った曲なのではないかと思う。『あからさまなファンサ』とか、『Cash up!』とか。『愛を使った愛の証明』とは金銭で愛の度合いを証明しようとしている(推しへの愛の深さを注ぎ込んだ金額で語る人もいる)ということで、ダーリンゲームオーバーラブとは愛する人との叶わぬ恋ということだと思う。

でも、それをわかった上でも、サビの『貴方だけのための私だからね』『私だけのための貴方じゃなくて』という歌詞にどうしても無償の愛を感じる。そう聴こえるのはたぶん全体的に、特にサビの進行がドラマチックだからだと思う。また歌メロをはじめとして譜割りに性急さを感じることが少ないから(少なくとも自分はそう感じる)。叶わないとわかっていても愛することをやめられない切なさではなく、叶わないとわかっていてもそれでも愛してるよという情愛を感じるというか・・・。歌詞全文を読めば不安定な部分も描写されているので、描かれているのはたぶん悲哀の側面なんだろうなとは思うけど、それでも自分は最初聴いた時に見出した思いを忘れられない。こう解釈するのが自分にとって一番気持ちいいんだと今でも思っている。

プラシイボ♥バトラー feat. 音街ウナ

Arcaea収録曲を10選に入れるのは初。嬉しい・・・。

音ゲー曲のフルバージョンってExtendedが多くてその方式だと自分に刺さらないことがままあるんだけど、これはフル尺も本当に素晴らしかった。2サビ前のフィル+ブレイクは音ゲーにも欲しくなるくらい気持ちいい。アウトロのエンドロール風味な演出も素敵だった。Arcaeaストーリー有識者はそっちを意識した言葉選びに見えると言ってた。自分はArcaeaのストーリーを真面目に追っていないのでそのへんはわからないが、アウトロにポエミーな字幕があるだけでエモいのでヨシ!!

ちゃんと読めているわけではないけど歌詞も良い。「私が最強!」を貫く曲だと思ってるけど、『根拠のない』ものを信じ抜くことを"プラシーボ"だと喩えるのがかっこいいなぁ・・・と。プラシーボという言葉選びもそうだけど、現実を直視した上でなお夢や思いを信じる作品って、良いよね。その崇高さは歌詞にも綴られている。『根拠のない偽薬だ/心も言葉も/そんなものにすがる僕らは/何より脆くて/何より美しいんだ』

Arcaeaの譜面の楽しさにも触れたいけど、文章だけで説明するのが非常に難しい(そして説明のための画像を用意するのがめんどくさい)ので、未来の自分に託すことにする。ハネのリズムとそうでない純粋な連打のギャップがすごく楽しい譜面です。(漏れ出た感想)

キュビズム/初音ミク

ボカコレ2025夏に突入。ディグって引き当てたのかランキングで見つけたのか覚えてないけど、1分台というショート尺の中で展開を最大限に魅せるつくりをした曲だと思ってる。特にサビからが良い。サビ後半と呼んでいいのかわからない、サビ後にくるセクション。これがリズミカルでありながらずっと着地点を求めるような進行で、その後に来るのはきれいに着地するラスサビでも大サビでもなく、余韻をたっぷり持たせるアウトロ。この気持ち良すぎるずらしがリスナーをループ再生へと誘うのだ。「最小限の尺で最大限の効果」をまさに体現する、短尺のお手本のひとつとなり得るクオリティだと思う。

最後の歌詞を『君は何処にいる?』で締めるのも、物足りなさと綺麗な着地感を曖昧に両取りする秀逸な手法だ。

いえない / ひらぎ feat.初音ミク

この前のボカコレ2025冬でルーキー部門トップを勝ち取ったマリオネットダンサーでは天下を取りに来たなーと距離を置いて見ていたところも正直あったが、この曲で一気にひらぎさんへの好感度が上がった。ルーキーで1位を取り、鳴り物入りでTOP100に殴り込む立場の人が書く曲が『ちょっとだけ弱音も歌わせて』なんて言うの???『馬鹿なあたしの勘違い/ちょっと夢見ちゃっただけ』なんて言うの???

たぶん、戦略的なものなんじゃないかなーと思う。思った上で、あまりにも魅力的に映る。意図的かどうかなんてどうてもいいくらい応援したくなる、というくらいの訴求力がこの曲にはある。数年ぶりにしてやられたと思った。こんなに純粋に応援したいという気持ちが湧き出る作品はそうない。

曲の話をするなら、おそらくこの人はキタニタツヤが好きだと思う。納得できるレベルの傾向を掴めているわけでもないので個人の偏見の域を出ないのだが、感覚的にはほぼ確信している。16分のバスドラを偏らせて入れることで生まれる性急さと余白のバランスによるグルーヴ、シンコペーションを多用するリズム。ひらぎさんの場合は性急さとキレを強調しているところが独自のアイデンティティを築いているなと感じる。

タイムマシン / 雨衣

Airaさんは早くブレイクしてくれと思うくらいには注目しているボカロP。できるだけボカロ以外の曲提供も追うようにしてる(クリエイターフォローしてないと情報追えなすぎる)。こんなバランスの良い曲を書けるんだから、早くデモソング依頼引く手数多になってほしい。自分の記憶が確かならまだピラニアのMYK-Ⅳくらいだったはず。

これも詳細な感想は書きにくいタイプかもしれない・・・。ただ聴いていて気持ちいい曲だなと。

あとはドラムでなおkさんを起用した時点で好感度が高い。このブレイクビーツなんだかジャングルなんだかみたいなビートを生音演奏で綺麗に聴かせられるのは本当にすごい。個人的には2:24~2:34で普通の8分と16分の6連符とで駆け引きがあるのがすごく好きだった。

DECO*27 - モニタリング (Best Friend Remix) feat. 初音ミク

この曲の生演奏を拝むことができたしぐれういファンの皆さんは誇りに思ってほしい。デコミクでも流れなかったぞ。

とにもかくにもアレンジが良すぎる。原曲のキーを長調にしたみたいなざっくり理解で合ってるんだろうか?歌詞も細かく変えられる原作者だからこそ最大限にギャップを演出できる手法だと思った。

ドラムの話で言うと、サビで2小節目の最後だけシャルルビートになるのはおもろかった。あと1サビ後~2番で2小節に1回スネア→1小節に1回スネアと少しずつ盛り上げていくのが良い。その後の2サビ前のフィルも原曲と差を出しつつもこれしかないと言いたくなるハマり具合。

あとは2サビ前のフィル。これは叩いている部位はすべてスネアなのだが、強打の位置を工夫するだけで軽快さ、そつなさを感じさせることを端的に示している。(1,4,7,9,11,13,14,15,16の強打かと思ったけど、改めて聴いたら3も強打っぽい)

∴煮ル果実「オーパーツ」with 初音ミク

氏の到達点の一つと言っていいだろう。ロック色の強い曲調から距離を置き今なお模索し続けているスタイルに過去の共作やRemixで培われた技術がここに集約し、それが結実したのだと思う。起用してくれたポケミクも、それに最高傑作でもって応えた似ル果実さんも、すべてが美しくてその昂ぶりだけで10選入りしたと言えるかもしれない。ついでに言うならポケミクライブで最上級の技術でこの曲を彩った美しさも加えたっていい。

2サビをキャンセルして突入する間奏(ゲーチスパート?)、ライブでは全力でジャンプしたいのを抑えるので精一杯だった。ギターのキメが途中でリズム反転するのが気持ちいい。またライブではミクさんは特に踊ったりせず目元に手を当てふらつく動きをしていたのが印象的だった。踊らないの解釈一致。

【夏色花梨】Makka【オリジナル】

今回の卑怯枠その1。実は投稿に気付いたのは今年の3月なので全然間に合ってない。10選公開してないし曲自体はアルバム持ってて知ってたのでご都合解釈でOKとした。つーかニコニコだと自分が見つけた3月の時点で600再生で相当意味わからなかった。自分もすぐに見つけられなかった分際なので強くは言えないが・・・。

アルバムの他の曲だとSickとKyakkyaはグロウルが多くメタル度が高い、Pattoはエンディング感の強いドラマチックな曲調でむしろアルバム限定の匂いがするので、Makkaが投稿されるというのは納得感ある。

好きなドラムポイントは、1サビ前の6連符バスドラに拍頭チャイナシンバル、2Aの頭打ちとチャグに合わせたタイミングで踏むバスドラの部分か。サビ真ん中のビートからフィルへの移行もめっちゃ良いんだけど、フィルに入る頭打ち直前のスネアが入るのだけ解釈違いで自分なら絶対にあそこには入れない。入れない方が一瞬だけ半テンのノリが挟まってうねりがより強くなるから。(強い思い入れがあるという意味で好きではある)

夏の怪談feat.IA

今回の卑怯枠その2。そもそも2025年の曲じゃないし、10選の11曲目だ。ここまでくるとルールなんてあってないようなもんだと言われるかもしれないが、去年知った曲の中でぶっちぎりで再生した曲なのでどうしても入れたかった。これ入れないと2025年の10選にならん。

こっちは透夏さん歌唱バージョン。Spotifyではこちらをよく聴いていたので去年のSpotify年間再生2位とかだった。透夏さんの方は儚さが強調されていて、IAの方はロックと親和性の高いパワフルさがある。どちらも良い。

サビのトレインビートや間奏の16分オープンハットあたりはものすごくバンド経験者みが強いなと思ったら、作者の空中元彌さんは嘘とカメレオンのギターの人だった。道理で。

構成としてはCメロや大サビはなく2サビ後のギターソロも1サビ後の間奏の延長となるフレーズなのでかなりシンプル。ドラムパターンとしても頭打ちとトレインビートが半分以上の配置となっていて簡潔。半テンとかもない。そんな明快さもこの曲の魅力だが、1サビまでのタム主体のビートや先述の16分オープンハットを挟むことで曲全体がどこかストーリー仕立てであるかのような印象を与えている。1番のタム主体のビートでは低温のくぐもった音像には茹だるような暑さという"夏"要素、また着地点が見えず緊張感を煽る"怪談"要素が仕込まれている。そしてサビ以降では一転して解放感、夏の"清涼感"の部分を浴びせられる。16分オープンハットが登場するのは2サビ後の間奏とアウトロのフェードアウト部分、物語の構成で言えば"転"と"結"、アクセントが欲しくなるタイミングだ。

概要欄によるとこの曲は「学校の怪談4」という映画に影響を受けて作られたとのこと。ストーリー仕立ての印象はここからも来ているかもしれない。歌詞だけを見る限りだとバッドかビターエンドに読めなくもないが、この映画を見たことはないので実際どうなんだろうって感じ。サビ一発目で『待ってて』と歌うのはいいよね。これだけで「今は別れていて、再び出会うことを願ってるんだ」とわかる。あと、落ちサビで化けて出た(という仮定の)君に『怖がらないで』と言っているのが逆転していてなんだかおもしろい。このへんも映画見ればわかるんだろうか。

結局何が言いたいのか伝わらない文章を書いてる気がするけど、この曲に感じる魅力はシンプルな中にもよく練られた曲構成だ。あとはシンプルながらもカタルシスを感じさせるメロディパワーが強いように思う。純粋に歌が好きというやつだ。ずっとリピートする曲って割とこういうタイプだったりする。


おわり!!

現時点で6300字超えてるらしいので、noteで書いてもよかったかもしれない。読み返してみていいかもと思ったらそっちにも投稿してもいいかもしれない。まったく同じ内容を投稿するって普通に抵抗あるけど・・・noteの方が目次あって読みやすいかもね。

ともかく、これでようやく今年の上半期10選の話をする資格を得た(という心持ちになれた)。現在23時46分。ギリギリ~~

最後に10選マイリスト置いておきます

@mememe_me_me
ボカロリスナーです。ちゃんとした文章はこっち→ note.com/mememe_me_me