NHK別冊100分deフェミニズム

信号街
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2024.1.29『NHK別冊100分deフェミニズム』を読んだ。よく知らない人間が読んでも大丈夫な仕様になっていて助かった。そして興味深かった。

印象に残ったのは①二種類の自由( freedom fromとfreedom to)②心的外傷を経験した者に起こっていること、またその者との向き合い方③ホモソーシャルとホモフォビアの関連性 の3点。 個人的に、①②の記述は読むのが辛くて時間がかかった。生活に近かったから。

(以下は本の内容に関係ない)

思考の転換を要されて混乱している。たとえば私はある人に「(ある第三者に)〇〇をされると、あのときの嫌な経験がフラッシュバックしてしまうんです」と言われたとき「そういうことを吐露できるあなたが羨ましい、ずるい」と思ってしまったのだが、これは私の方に精神的な問題があるということだ。

「苦痛な経験について声に出すことは大切であり、制限されてはならない」ことは理解しているので口には出さないが、それはそれとして負の感情が浮かんでいた。これ突き詰めると「私は我慢してきたのにあなたは我慢してこないのはずるい」の言い換えなんだろうな。私と彼女はおそらく似た経験をしている。その声を封殺することは過去の私を殺すことであり、また苦痛な経験を生む環境を良しとしていることにほかならない。……ただこれが職場で起こり、対応するとなると①なぜ私に言うのか(当事者でどうにかしてくれ) ②私とある第三者との関係が崩壊する可能性 ③業務がすごい増える +「ずるい」となり隠蔽したくなる気持ちもすごく生まれた(結果的には動きました)。

実体験からの予測でしかないが、声を上げた人を叩きたくなるのってこういう「(声を上げなかった/上げられなかった人による、声を上げた人への)ずるい」という気持ちと「人間関係の崩壊を覚悟して/イレギュラーな 対応をしなければならない」部分で胃が痛くなるからなのかもと思った

「また面倒なこと言ってる人がいる………」という陣営(おおむね強く大きい)に同調して精神的安定を求める感じ(これは「ずるい」と似ていて「我慢した結果今の立場がある」と受けた苦痛を肯定する行為でもある) これたまに見かける「女性に内包されたミソジニー」てやつなのかな(調べろ)

「あなたは視野狭窄に陥っている」「ほかに手段はある」「この自由は本当の意味で自由ではない」「あなたは仕方なくそれを選んだだけだ」「もっとマシな道はある」という気持ちを総称すると「救いたい、救われて欲しい」なのだろうし、仕事の都合上そう感じることもあるが、当事者は「自分は助けを受けるべき状態だ」ということを認知できない場合が多いように思う。私も先程の「ずるい」について「過去につらい思いをしたんだね」みたいなこと言われるとハァ?舐めてんのか?という気持ちが湧くだろうし。

たぶん客観的にみた様相はかなり単純で、救いたい側は「打開する選択肢がある」から素直にそれを発し、当事者は「たまたまその選択肢を知らない」から自らの取れる何らかの方法で自己を肯定している。当事者にとって新しい選択肢は現状の打破自己肯定の否定につながるから、反発したくなる。しかもこの新しい選択肢が降ってくる状況、知識量として救いたい側>当事者が浮き彫りとなり、当事者目線「こちらのことよく知らないくせに上から偉そうに言ってきたやつ」として写る 声のかけかたが本当に難しい

@mennngennn
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