今日はバイトの後に友人とご飯に行って来た。
友人はとてもスマートだ。背が180cm以上あり、スラリと伸びた手足が映えるシンプルな服装を好む。しばらく会っていない間にデビューした丸メガネが驚くほど似合っていた。きっと産まれた時からかけていたのだろう。いつも少しだけ跳ねている前髪が、ゆるりとした彼の印象に一役買っている。
実は彼の着る服がカッコよすぎて、似た雰囲気の服を買った事がある。友人は誰もが振り返るイケメン、では無いのだろうが、私の中の「スマートで憧れるレーダー」に引っ掛かりまくる。そんな人だ。
見た目ばかりに言及してしまったが、私が彼を気に入っている1番の理由は言葉選びにある。そう、彼は人を(私を)喜ばせる天才である。
例えば彼は、私が「鍋食べた〜い!」と叫んだだけで天才だと賞賛してくれる。
いくつかピックアップしてくれた店の候補から私が1つを選ぶと「俺もそこにしたいと思ってた」と返してくれる。
いくつかの食べ放題プランの中から気になるものを指さすと、「ほんまセンスええなぁ。これにしよ」と持ち上げる。
彼と会うと、自分はお姫様なのでは無いか?と浮かれた気持ちになる。彼と会う度、お姫様扱いを望む人が一定数いる理由がわかる。お姫様になると自分が無敵に感じられる。お姫様扱いされたい人は、無敵になりたいのかもしれない。
会う度褒め言葉を投げかけてくる彼だが、今日はついに「舞台映えするカッコいい顔しとるもんなぁ」と言ってきた。彼の褒める角度に際限はない。
そんなスマートな友人を参考に日々を過ごしているが、中々彼には近付けない。やはり天然の王子体質は強い。
そんなスマートマンと男2人で鍋をつつきながら、恋愛の話で盛り上がった。許してくれる人の前では永遠にちょける私は「これもうキーパーとの1対1よな」「ゴールから寄って来とる」「キーパーおらんフリーキックじゃない?」「エゴイストになるしかない」などとふざけた事を吐かし続けたが、彼は天然王子なので「この会話最初から録音して寝る前に復習したいわぁ」と呟いた。
申し訳ないが、今日の話を聞き返しても恋愛じゃなくてサッカー知識が身につくと思う。
この日記を書いてる時に返事が来た。多分次会う頃にはサッカーに詳しくなっているだろう。
私は友人と話すのが好きだ。彼ら彼女らにはそれぞれの価値観があり、人生がある。その一部を切り取って交換会をする。会話にはそんな感覚が付き纏う。私の人生は楽しいに満ちているが、友人の人生は私が体験できない未知で溢れている。
知らない世界を擬似的に体験させてくれる存在だからこそ、私は友人という存在にありがたみを感じているのかもしれないなぁと、そんなことを考えた今日のご飯であった。
※LINEのスクショを使っていいか聞くと、「めもちゃんの日記に俺の言葉が載っていいの?」と斜め上の心配をしてきた。この天然王子め。