今朝、散歩でいつもの道を歩いていたら、道の脇の畑から年配の女性に突然名前を呼ばれた。
小学校1年生の時に担任だった先生だという。
私は過去の記憶が薄い方で、申し訳ないけれど小学校の先生はひとりもまったく覚えていない。
その女性は、私が少し人見知りだけど良い子で、作文が上手だった、と言う。多分そんな子どもだったろうというのは確かなので、名前もフルネームで呼ばれたし、きっと本当に担任の先生だったんだろう。
わあご無沙汰してます、びっくりしました、とか言いつつ記憶を探るが、やはりまったくおぼえていない。
おぼえていないけれど、その女性はとても優しくて嬉しかった。あっ、お野菜食べる? お野菜あげる、と言いながら急いで畑のすみに走っていき、そこに生えている菜っぱをささっと数株収穫して両手いっぱいにもたせてくれた。
ありがたく受け取り、家に持って帰って、言われたとおりにベーコンと一緒に炒めて、目玉焼きと食べた。
こちらはまったく覚えていないのに、他人の記憶に何十年も私が住んでいる、というのはとても不思議な感じがする。
と鮮やかな緑色の菜っぱを喰みながら少し思った。
そんな春の日。花粉で目がかゆい。
いただいた菜っぱは、のらぼう菜、というらしい。柔らかくて甘味があっておいしかった。夕飯では辛子和えにして食べた。
それと庭でコゲラを見た。良い日だ。