春の訃報

meol
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母の妹が亡くなった。

母は4人姉妹の2番目で、下2人は双子。そのうちのひとりが昨日の夜他界した。

母たち4人はまあ普通に仲がよく、4人集まるといつもテレビの話題やら何やら、いつまでもしゃべっていた。

そのうちの、やや控えめ気質な一番下の妹。

ここ数年肺の病気を患っていて、去年、医療サポートのついたホスピス的な施設に入ったと聞いていた。お見舞いに行った母が、施設はお誕生日会とか色々イベントがあって忙しいんだって、思ったより元気そうだったよ、と笑いながら話していたのはつい数ヶ月前で、私も母もどこかでホスピスなんてそんなの嘘なんじゃないかと思っていた。

今朝、訃報の電話を切ってから、母は掃き出し窓のすぐそばに立って、無言でじっと外を見ていた。

ガラス越しには花曇りの庭。なまあたたかい春の午前中。

見たことのない母の目。

その目はなんだかがらんどうで、頑是ない子どもみたいでもあったし、人形みたいでもあった。

何を見ていたんだろう。

虚ろな目から母がこぼれおちて、彼岸に溶け出ていっているような気がした。

少ししたら戻ってきたけどね。

おばちゃんへ

Yおばちゃん、ありがとう。

おばちゃんがひとつの命の旅を終えられたこと、新たな次元に進まれること、姪として思いをはせています。

この世からの旅立ちに春を選んだんだね。

おじいちゃんおばあちゃんと同じだね。

今日は白木蓮と雪柳がきれいだったよ。春の花と一緒にお見送りするね。またね。ご冥福を。