文芸美術国民健康保険について

mercy
·
公開:2024/10/23

今年、入りました。

フリーランスなので今まで通常の国民健康保険だったのですが、今年はあまりにも高く、以前検討して一度断念した文芸美術国民健康保険組合に申し込み、無事審査を通り、入れました。

文芸美術国民健康保険組合(以降、文美国保)に入るには、各団体に所属していないといけないのですが、私は脚本家の団体に所属しているので、加入申請を出す事自体はいつでもできる状態でした。

メリット、デメリットは色々ありますが、それはご自身で調べてみてください。一定の収入額を超えていないと保険料が高くなってしまいますが、エンジニアを兼務している私の現状としては安くなることがわかったので、それで申し込みを決断しました。

一度断念した理由

https://www.bunbi.com/entry/joining/

なぜ一度断念したかと言うと、上記に「生業」と書いてあったからです。

生業……なりわい……生計の足しにはなっているけど、脚本だけでは生活してないよな(笑)と。

収入的にはエンジニアの方がまだ上なので、もしかしたら文芸美術をメインに仕事をしている人間として見られないのではないかという心配がありました。これは私の勝手な解釈です。

それと、手続きがアナログで諸々書類を揃えるのが必要であり、それが面倒で先送りになっていました。

ダメもとで書類提出

ネットで色々調べると、提出する前年の確定申告の職業欄に対象の職業が記載されていないと審査に落ちるという事を仰っている方もいました。

自分の場合、脚本家になる前からカメラマンとシステムエンジニアをしていましたので、それを入力するだけで職業欄が一杯になり、脚本家の表記が見えていませんでした。確定申告を税理士にお願いするようになった時に漏れてしまった可能性もありました。

ただ、脚本家としての収入の実績はあったので、取り寄せた提出書類の収入の内訳記入欄にはそれをちゃんと記載し、また、職業について説明を書く欄があるのですが、収入的にはエンジニアが多いが、方針としては脚本業を優先しているという旨を記載しました。

家族が多い場合は注意

国の健康保険の場合、保険料は収入に対して増減します。文美国保の場合は一律です。ただし扶養家族の人数で保険料は増減します。

独身であれば自分の分だけなので、かなり安くなって効果が見込めると思います。しかし、私の場合は家族は妻と息子の3人。幸い、共働き家族なので、妻は会社の健康保険に加入しているので息子の分だけです。ちなみに、原則として、国の健康保険の家族は全員文美保険に乗り換える必要があります。

文美国保のサイトでシミュレーションできますので、収入と対象の家族の人数などを入力すると、安くなるのか高くなるのかわかるので、それで検討すると良いかと思います。

私も独身よりは高くなりましたが、それでも国のよりは安くなりました。問題は、次生まれてくる子供。たぶん、それでも国のより安くなるかと思います。その時がきたら、また検討しようかと思います。

作品の実績の提出

これはワードでリストを作りました。脚本そのものを送っても、それが世に出てるのかは分からないし、厚いし、と簡単な説明とキャプチャを入れました。

制作年、公開媒体、作品タイトル、担当話数、作品タイトルのキャプチャ、スタッフロールの自分の名前が表示されているキャプチャ

上記を作品ごとに記載したものをワードでまとめてプリントアウトしました。完パケデータをもらっていない作品もあったので、そういうものは放送の録画をスマホのカメラで撮影して、その写真データを貼り付けました。

審査は1ヶ月ちょっと

審査の日は月一だそうで、それに間に合うようにすれば早く結果が出ると思います。

審査に通ると新しい保険証が届きます

審査に通ると新しい保険証が届きます。私の場合、自分の分と息子の分が届きました。

同封してあった書類に「14日以内に国の国民健康保険を脱退する手続が必要」との書類が入っていたので、早く安くなってくれ!と翌日すぐに役所に行きました。が……。

注意点

早く切り替えたかったので、翌日に役所に行きましたが、文美国保の開始が翌月の1日からだったので、その日が「脱退事由が生じた」ということになるそうで、その日になってからまた来てくださいと言われました。え……!?

「そ、そんなもんそっちが先に受け取って、そのタイミングで処理したらええんちゃうんかい!」

と、出かかった言葉を飲み込みました。この人にそれを言ったところでルールは変わらないでしょう。このへんはほんとお役所仕事だなと思いました(笑)仕事を中抜けして役所に行った時間返せよ!と。法律なので仕方ないのですが。役所のホームページを見ると、そのような事も書いてありましたが「事由が生じた」って分かりずらいだろ……。

役所にまた行くの面倒だなと思っていたら、これは地域によるかと思うのですが、私の地域はネットでの手続きにも対応していたので、役所にいくことになく数日後にネットで再度手続きしました。処理には数日かかりました。これは楽でした。

もう一個注意点がありまして、子供の医療証についてです。(子供がいらっしゃらない方は関係ないので大丈夫です!)今まで使っていたものは無効になり、再発行になります。

これはネットでも私が調べた限り情報がなく、地域によって違うかもしれませんが、簡潔に言うと償還払いになります。(一旦払って後日役所に請求してお金を戻してもらう)

先ほどから「国の健康保険」と言っていますが、実際はその地域ごとに発行される健康保険証ということになります。保険証を見ると発行元が市とか区の記載があるかと思います。これが文美国保になると、その地域から発行された健康保険証ではないと見なされます。

今までの国民健康保険であれば、子供が病院にかかり、支払いの際に医療証を提示すれば、その場で全額無料になります。しかし、文美国保の場合は一旦払って、翌月以降に役所に申請を出して、後でお金が戻ってくることになります。うちの地域では役所窓口かネットでの申請になります。ネットがあれば楽ではありますが、子供が病院や薬局にかかったらその都度作業が発生します。これはほんとめんどいな……。

ただ!面倒くさくても、月々の保険料が安くなるなら仕方ない!と思っています(笑)

まとめ

私の場合はこんな感じでした。一例として見ていただければと思います。

審査条件がブラックボックス化されているため、一概にこれで大丈夫!受かる!ということは言えません。また、地域によって保険証の脱退や医療証の手続きについても変わるかもしれませんので、事前に調べておくか、そういう状況に直面しても気長に対応していただければと思います。

@mercy
二足のわらじ、たまに三足いや二.五足