よく出向く本屋は、月末にその翌月の『▲月新刊マンガ発売日』一覧を無償で配布してくれていた。イメージはペーパー置き場を想像してもらうとよい。あんな感じで、さまざまな店舗や企業のチラシに混ざり発売日予告一覧があったのだ。わたしはその両面刷りの一覧表を家に持ち帰り、にらめっこしながら翌月に購入するマンガの予定を立てるのが月末の楽しみだった。(書店で発売される刊行物のうち主だった出版社の発売日が載るので、実際は店頭に並ぶうちの2/3か…3/5か…それくらいが把握できた)
ただ半年ほど前から、配布はなくなった。
残念だが、無理もない。経費も馬鹿にならないし、もしかしたらなにか揉めごともあったかもしれない。いい大人がしょぼくれた。
自分で発売日を調べればよいのでは?というのは大前提だが、なにせもう管理ができていない。発売日がわかるアプリがあると知り、ダウンロードしたはいいが書籍名や作者名を登録して教えてくれる(そりゃそう)もので、これだと突然現れた作家さんやなんとなくタイトルか作者名を覚えているが具体的なことはなにもわからない本が…登録できない!(そりゃ……そう!)挫折。
世の中のみなさんはきちんと自らの買ってる作品の販売日、全部把握してるのか?!自分がカスなだけか…。
というわけで、自分にとっての使い勝手のよさを模索するよりも数日と置かずに書店に赴くことにした。
マンガが並ぶ棚をぬるぬると歩き、平置きと棚差しを見て、またぬるぬると歩く。わりと広い本屋なので結構時間がかかる。すると知らないマンガがわんさか!わんさかある。いつもは目的の場所にサッと向かってサッと帰っていた。目に入るものが新鮮に思う。うれしい、たのしい。どこか懐かしい感覚だった。
自分でなにか知らないものを探し当てるのも、悪くないかもしれない。