しっかり書きたいけど、取り急ぎ
以前、大豆田とわ子を見て松田龍平に狂って、配信サイトで松田龍平が出てる作品を片っ端から見てた時に出会った映画。
初見の時はとにかく松田龍平がただただ美しい映画だ…という印象で、(もちろんお話も素晴らしいのは言うまでもない)私の中で「一番美しい松田龍平が観れる映画」という認識でいました。まあ今もそれは変わらないけど。
今回再上映を見て改めて違う思いが生まれてきて。
それは「形あるものを作る時、そこに「手を動かす」こと以上の作用は生まれない」ことの真摯さについてはっきりと語られているよなということ。
めっちゃ当たり前のことで単純な理屈だけど、それをやろうとするのは本当に難しいよね〜。先の見えない作業で、会社は目先の利益や成果を求めてくる中、どれだけ時間がかかっても手を抜かずコツコツ進めていく。なぜなら馬締は辞書が大好きで、良い辞書を作ることを天命と考えていて、その意思が固いから。
難しくて挫けそうになる反面、辞書を作る作業には運もセンスも(センスはまあ、いるんだろうけど)周囲の評価も瑣末なことで、やったらやった分だけ応えてくれるというシンプルさがある。これは何かものを作る人にとっては経験したことのある感覚だと思う。
自分が手を動かさないと何も生まれないし、かけた時間、注いだ熱量に、作ったものは必ず答えてくれる。周りからの評価とか利益とかそんなものは全部後追いの副産物でしかない。ある意味究極の自己満足、でも自分を納得させるだけの行いを、自分に課さないといけない。
そのことを覚えておくと、手を抜きそうになる自分を奮い立たせられるというか。満足いかないものを世に出して博打を打つくらいなら、辞めた方がいい。
あとから思ったんだけどこの精神性は緋田美琴にも近いかも。私は愚かで怠け者なのでシャニの中で美琴さんへの理解度が極めて低くて、新たに気づくことばかりなんだけど、レッスンを欠かさない美琴さんの気持ちが少しわかった気がした。