わーっと書き上げた文章をすぐさま読み返してみて、ぜんぶ消した。書いている最中は筋道も通っていたはずが、最後まで行き着いてみると、ずいぶん嘘ばかり書き連ねてると思えてきた。変なの。
すごく自慢話ばかりする人がいて、仕事の場でも大風呂敷をひろげるだけひろげてみせて、責任をとらずに尻をまくって消えた。昔の話だ。べつのところでも似たような詐欺まがいを働いては小銭を稼いでまた消えて、ということを繰り返しているようなのだけれど、口車に乗る人があとを絶たないのは、その人の言葉に魅力があるからだろう。オカルトめいた体験談も豊富に持ち合わせている人で、聞かせてもらったエピソードのいくつかは、「またまたそんな、嘘でしょ」と思いつつもおもしろかった。
その手の人たちの「自信」というのは強度があって、「自分を信じる」ではなくて「自分を信じ込ませる」という意味での自信がなみなみならなくて、あれはほんとに技術だなって感心する。ほんとのことを言ってるつもりが、嘘みたいになってしまう、という僕の失態とは真逆だ。
そんなこんなで連休が終わる。これは本当。