乙女座卯年

metayuki
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半袖で外出してしまった。4月だぞ、おまえ。だけど半袖の人も多く、天気予報関連でも暑いぜ暑いぜと訴えていたので、暑いのだろう。

季節のなかでどれが好きかと問われると、圧倒的に秋。秋から冬に移っていくときの、心からかさぶたが剥がれていくような感覚が好き。悲しくて、どうしようもなくて、すぐに暗くなっていく様が好き。

8月生まれなのに夏が好きじゃないのか、と問い詰められたことが何度かある。あれはどういう心理なのか。人は自分の生まれた季節を愛するに違いないという学説でもあるのか。

妻の妊婦生活を間近に見ていると、夏に妊娠しているのはたいへんだと思わずにいれなかった。四季それぞれに大変さはあろうけれど、夏はひときわ、という気がした。それはとうぜん自分の母親にも向けられる気づきであって、母も夏の最中におおきいお腹でたいへんだったろうと感謝とともに申し訳なさを感じた。

自分の生まれた季節は好きになれないものの、星座と干支は大好きだ。乙女座、卯年。なんてガーリーな組み合わせ。

前にも書いたかもしれないけれど、小学校にあがるかどうかというころに「星占い」の本を買ってもらった。児童向けの書籍で、漫画パートと「星占い」の解説パートが交互に展開していく構成だった。

親の都合で転校を繰り返す女の子が、新しく引っ越した先で友達をつくることができず悩んでいたところ、公園で知り合った女の子が「星座と星占い」について教えてくれ、それを会話のきっかけとして学校でも友達をつくっていき、再び転校する日が訪れても「星占いのことを知っているから次の学校でも友達たくさんつくるね!」と前向きに引っ越していく。そんなストーリーだった。

自分の本として、自分が選んで買ってもらった最初の一冊が、この「星占い」の本だった。なんともガーリーな作品だったけれど、当時の僕にそんな意識はなくて、ただただ好きで楽しく読んだし、何度も読み返した。

星占いについては、さほど興味が持続せず、星座のエピソードから神話に興味を持つようになった。結局のところ、ストーリーに惹かれる性質があった、ということなのだろう。

乙女座、卯年。だからなんだと言われればそれだけのことなのに、どこかで自分は「そういう人間なのだ」と受け止めている。

(と書いたあとで、こんな話を前にも書いた気がしてきて、ひょっとするとそれは「しずかなインターネット」でのことかもしれず、まあ、これだけ毎日書いてればネタがまるかぶりという失態を演じても不思議じゃないよなと、諦めモードで公開ボタンを押しにいく次第です)

@metayuki
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