あと1ヶ月ちょっとしたら20代最後の歳になる。29歳。トッケビ (韓国ドラマ)では9という数字は完全(10)の1歩手前なので、人生においてとても不安定でクライシス的なタイミングになると言われていた。ぼくはというと呑気にも30代を迎えるにあたっての20代の総決算と心地良いクラウチングスタートを切るための準備期間にするために、今後の人生(プライベート&仕事)の展望と目標なんかをのんびり考えたりしている今日この頃だ。
そんな中で30代の目標の柱の1つになりそうなのが「経営」について。自分の城を持ちたいとか、デザインやクリエイティブのような美意識を世界に提示したいといった野望みたいなものはこれっぽっちもないのだけれど(そういう意味での向上心、功名心は0)、"現代の感覚"という意味でも"普遍的な概念"という意味でも美しくて正しい形のサロン経営について考えてみたいとさいきん思いはじめた。まあ、それはそれで美意識の提示みたいなことなのかもしれないけれど。
そんなこんなで相も変わらず哲学の本を読みながら、合間で経営の本も読み始めている。ぼくを知る人たちはすこし驚くかもしれない。あれほどサロン経営には興味ないとか言ってたのに、、と。でももっと知っている人たちは納得もしているかもしれない。この人はいつも興味がころころ移りかわるからなあ、、と。
経営の本を読んでいて、ひとつ気づいたことがある。経営理論とかは別にして、経営理念とかの概念を優れた経営者が語るとけっきょく哲学みたいな話になる。個人と集団のアイデンティティの境界線、社会への参画とその意義、文化と資本という概念について、民主主義と資本主義という現代社会に実装されているOSの相対化、などなど。引きだす本棚が変わっただけで、いつも読んでいる本とほとんど変わらない内容。そっか、ぼくが興味があるのはけっきょく哲学で、人間なんだなあ、なんて思った。
芸術家も文筆家も建築家も物理学者も経営者も、扱っている言語やツールが違うだけでけっきょくみんな哲学をしている。ぼくはお腹が空いているからいい匂いのするお店の前で立ち止まってしまうのではなく、お肉がすきだからいい匂いのする焼肉屋の前で立ち止まってしまっているんだ。
そんな、ある意味では当たり前のようなことに今さら気づいた29歳マイナス1ヶ月。お腹が空いてきたから今夜は焼肉をたべよう。