先週、青山のジャズクラブBlueNoteに行ったあとに興奮冷めやらぬ心地よさとスパークリングワインとオリジナルクラフトビールでふわふわした脳みそで「経営って面白いかもなあ、」と思った。憧れの大人たちが過ごす上質な時間と空間を体感したあとに思う感想にしては少し的外れな気もするけれど、、、とにもかくにもそう思って、それからというものぐるぐると考えてしまっているのだから仕方がない。
BlueNoteの料金システムは①シートチャージ②ミュージックチャージ③飲食代 が合算される形になっている。これがまた秀逸なデザインになっているなあ、なんて思った。そもそも店舗自体の維持管理費用や家賃、サービス料や人件費などなどは①と③で賄われていて、②は丸々ではないにしても出演ミュージシャンのギャラとなるという、アーティストに対して美しいマネーフローのデザインになっている。
20代最後の1年を迎えるにあたって、体験に投資をすることを積極的にしていきたいなあ、なんて思っている今日この頃。投資といえば最近ではESG(いろいろ配慮してるクリーンなビジネスがいいよね)やらインパクト(利益だけではなく社会に与えるグッドな影響を大切にしたいよね)やらと投資傾向自体が欧州を先頭に年々変化してきているらしい。そんなこんなで人類が投資の行動原理自体を過去の過ちをもとに反省しながら軌道修正しようとしている昨今、ミクロな視点では僕たち一人ひとりの購買行動は投資である、ともいえる。せっかく買うなら環境に配慮したクリーンでグッドな企業の商品を買って応援したいよね、という。
だとしたら体験に投資をするというアナロジー的な意味だけではなくて、購買行動でアーティストに投資ができる(直接課金できる)というシンプルに見える化されているマネーフローはいまの時代にフィットした美しいビジネスのデザインだなあ、なんて、そんなことを思った。
アーティスト(や職人)にダイレクトに課金できるような、その活動や業界の価値自体に投資できるような、しかもそれが適正に届いているようなデザイン。
ふむふむ、なるほどなあ。
僕が働いているサロンはシェアサロンで、それぞれの美容師は独立した個人事業主(か法人)なので、そのマネーフローはお客様にとっても比較的見えやすいシンプルなビジネスモデルになっているけれど、多くの普通の(予約サイトを使っていて、アシスタントがいるような)サロンでは広告費やら人件費やらで少し複雑なシステムになっていて、その分配方式はその多くが(個別の違いは多少あれど)美しいかといわれたら、うーん、、という感じだと個人的には思う。少なくとも修行中の身とはいえアシスタントはもっとその価値に見合った報酬を得る権利があると思うなあ、なんて。いつもありがとね美味しいご飯奢ってあげるよ、じゃ足りないたりない。今の時代にその経営ってどうなんですかね、、治外法権ってやつですか、、と開いた口がふさがらない。ふさがないとそろそろ怒られそうだ。でも、いやなものはいやだ。
そんなこんなで、今の時代にフィットした美しいサロンの経営ってなんだろう、なんてことをBlueNoteをきっかけに改めて考えるようになった。経営についても勉強してみよう。
実現可能性のある明確な答えがあるかどうかはわからない。この世界は机上の空論ではまわっていない。
答えを見つけられるような30代にしたい。