2024年11月、ある日の日記

葉月
·
公開:2024/11/17

●11月のある日の日記

昨夜は眠れなくて布団に入ってから起きだして散歩に出かけた。体を動かしていないと、怪物に飲み込まれてしまうと思った。ずんずんと歩いて歩いて。夜道を歩くことだけが救えることってあるよねと思った。

少し大きな駅まで歩くと、体がくたくたで眠気が襲ってきた。陰に隠れた階段横のスペースに男の人が横になって寝ていたので、わたしも離れたところに座って目を閉じる。

昔好きだった『流しの下の骨』の主人公のことちゃんが、よく夜に駅まで散歩していたなと回想していると、気持ちが落ち着いて和らいでくる。見知った場所でも、普段訪れない時間はわたしにとっては知らない世界、そのことが新鮮で自由。わたしは自由で、どこへでも行ける。時々そのことが分からなくなるようだ、わたしは。

セブンイレブンに寄ってあたたかいコーヒーを飲みながらSNSをのぞいたら1時を回ってまだ起きている人たちがいてなんだかほっとして、元気を得て、またずんずんと歩いて帰宅。布団の上にのったねこたちに申し訳ないながら場所を空けてもらって布団に入ると二匹が潜り込んできた。ねこたちの温かさに触れると、歩いている間に体はすっかり冷え切っていたのだなと実感。ぶるっとふるわせてようやく眠りに落ちた。おつかれさま、わたし。


●11月のある日の日記

寝不足の疲れがなかなか取れないお年頃。夫を見送って二度寝を試みるも明るすぎて寝れず、ただ横になって時間を過ごす。

やるべきことは色々あるのに頭がぼんやり働かない、ってそういう風な歌詞の歌があったね、昔。今朝はお弁当を作ったことだけでもう偉いぞ、ということにしようと決めて、『全領域異常解決室』を1話目から見返して、『天狗の台所』を見て、ヨガをして買い物に行き、夕飯を作った。それが今日の全て。

全決でオカルトっぽい内容を見ていると、20代の頃にバイトしていた時に仲良くしてくれたIさんを思い出す。‘‘人類は7回目らしいよ”って教えてくれた人。面白い人だったな、元気かな。確かに人類は愚かすぎて7回目の可能性はあるよね、ってその時思った。最近は8回目が近づくような、そんな世界だなって思う。

夜ごはんは、冬瓜と春雨のスープ、豚の生姜焼き、チンゲン菜のじゃこ和え。


●11月のある日

朝から思い立って森へ行く。

歩いていると「十分な休息があってこそ活動できる」という気持ちが湧き起こって、今日森へ来ることを決めてよかったと思った。

歩くこと、それも自然の中を歩くこと、それからヨガをすること―どちらも体と心の両方を同時にほぐし、解放し、満たしてくれる。心にもやもやが溜まってしまうとき、心にアプローチすることは私にはとても大変だった。動かない岩を力いっぱい押してもびくともしない、そんな感じだった。ヨガを学び実践するようになったとき、体にアプローチして心が落ち着くこと体が楽になることを体感して、やっと対処法が見つかったと気持ちが楽になったことを思い出した。そうして一番身近な存在でありながら、どうしても受け入れられなかった‘体がある‘ということを少しずつ受け入れられるようにもなった。そんなことを振り返りながらゆっくりと歩いた。

おやつには鳩サブレ―を持ってきた。ケヤキの大木の下にシートを広げる。ベンチもあるけれど、地面の感触を楽しむのが好き。

友人のMちゃんが突然くれた鳩サブレ―の缶セット。8月10日の鳩の日の限定品らしい。Mちゃんにしてはとても珍しい買い物でそのことを伝えると、「自分でもこんなことないんだけど、どうしても欲しいと思ってお揃いで買っちゃった!」と。ふふふ、いいね。そしてとても可愛い。鳩サブレ―ってお土産でとっても稀にしかお目にかかれない。サクサクで美味しくていただくとうれしい。缶に入れれば割れないよ、とも。そうか、確かに割れやすいもんね。そして割れているとせっかくの鳩さんが…と悲しい。

ということで、秋の缶に入れてボトルにコーヒーを淹れて持参したのだ。風でときどきヒラヒラと舞い落ちる黄色いケヤキの葉っぱを眺めながらサブレ―をいただきました。とっても満足。帰宅

夜ごはんはカレー一択。私がカレーを作るときは簡単に済ませたいときなので、サラダもつけない一択。野菜の栄養は人参が担ってくれていると信じている。


●11月のある日

行ってみたいごはん屋さんがあると夫に誘われて、仕事終わりに待ち合わせ。都会はたまに行く私たちにとってはまち全体がアミューズメントパークみたいなもの。ここに毎日通って働いている人たちは本当に凄いよね、と言い合う。

ごはん屋さんは、オープンして間もないようで、料理が出てくるのに時間がかかったものの、美味しくて家では作らない料理を愉しんで、若い定員さんに心の中でエールを送る。半地下にあるお店で、席の後ろにある窓が道路での高さで、普段体験しない目線で道行く人を眺めるのもまた面白かった。

帰り道に行列のできているたい焼き屋さんに並んで、焼きたて熱々、皮がサクサクのたい焼きを食べながら駅に向かう。高く並び立つビル群を眺めながら、何度も「都会はすごいね~」「すごいね~しか言ってないよ、さっきから」と非日常を堪能したのでありました。

帰宅して私は最近購入したウォークマットを踏んだ。相変わらずめちゃくちゃ痛いけど足はすっきりした。えらいぞ!

@michikusa
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