右の奥歯がよく欠けるので、歯医者さんに行って詰めてもらった。
どのくらいよく欠けるかというと半年に一回くらい。(それより早いときもある。今回は詰めてから4ヶ月)
その度に詰めてもらえば歯医者さんに定期的にかかることになるし別にいいかぐらいの気持ちでいたのだが、先生から「あまりこの状態が続くのは歯に良くないです」「ここが欠ける人は噛み合わせに問題がある」と言われてしまった。
先生曰く、僕の前歯はほぼ噛み合っていない。前歯で噛みしめることができなくて、かわりに噛み合っている奥歯に全ての力がかかってしまう。寝ているときに食いしばり癖がある、と伝えると先生は困った表情になった。相当良くないっぽい顔だった。
「寝るときにつける硬めのマウスピース(ナイトガード)を作ったほうがいいと思います」
実はマウスピースは以前かかっていた歯医者で作ったことがある。しかし作る理由をいまいち詳しく説明してもらっていなかったこともあり、着用時の窮屈さが嫌ですぐ使わなくなってしまった。
あのときマウスピースを作ったのは噛み合わせに問題があったからだったのか。(なんで知らんねん)
先生からは眠れなくなるくらいストレスを感じるならナイトガードではなく今の詰め物よりも強度の高い被せ物の銀歯で対応する手もあるよと言われたが、理由がちゃんとわかっているならば慣れるまで我慢することもできるだろうと思い、ナイトガードを作ることを決めた。
その時は先生と話をする時間も限られていたため自分でも調べてみた。
前歯が噛み合ってない状態を「開咬(オープンバイト)」というらしい。見た目に問題が出ないため、本人が矯正等でなんとかしようとする気持ちになりづらく、仮に矯正を試みても元の状態に戻ってしまいやすい。
いくつか歯医者さんのサイトを閲覧したけど、一番問題のある噛み合わせと書いてあるブログもあった。イーってした時に前歯同士が噛み合わない(浮いてる)のは当たり前だと思っていたんだけど……違ったんですね……?
また、オープンバイトの人は舌を置く位置が間違っていることが多く、通常は舌先を上あごの前歯の手前に置き、舌全体はそのまま上あごに沿うように配置するのが正しいとされているが、オープンバイト状態だと舌先を上下前歯の間に置いておく人がほとんどだという。僕じゃん!!
生まれたときは噛み合わせに問題がなくても、幼少期から舌がその状態だと成長とともにオープンバイトとなってしまうケースも多いらしい。
オープンバイトで歯並びの矯正を始めても元の状態に戻ってしまいやすいっていうのは、習慣的に舌の位置が治りにくいからというところが大きいらしい。舌の力ってすげー。
今頑張って正位置にあるように舌を使っているが、本当に正しいのかわからない。空いてるスペースに無限に唾液が貯まるので邪魔すぎる。あと話し出すときの舌の位置が普段と異なるせいで滑舌がおかしい気がする。本当に慣れるのかな。不安になってきた。
ところで巷には8020運動というのがあるが(80歳で20本の自前の歯が残っている人を表彰するアレ)、オープンバイトの人は誰ひとりとして8020にはなれないという。マジ?うちの祖母は達成していたので血筋的に大丈夫っしょぐらいの気持ちでいたのに。つまり高齢者になる頃には、もしくはもっと早いかもしれないが、今のままでは奥歯なくなるってことじゃん。やばくない?
というか、そんなことを今までかかってきた数人のお医者さんに言われたことはなかった。今かかってるお医者さんも多分4年以上はお世話になっていると思うのだが、噛み合わせや舌の位置について指摘されたことはなかったように思う。な……なんで言ってくれないんですか!もっと早く知りたかった!
……でも、自分もまさに「歯並び結構いい方」だと自覚していて、問題に思うことはなかった。もし他人から指摘されることがあっても、矯正費用にビビってしまい乗り気にはならなかったかもしれない。お医者さんたちもそれをわかっていてなかなか指摘しなかったのかもしれない。それがオープンバイトの恐ろしいところなのだろうと思う。(と考えることにした。)
今後どうやって治療していくのかはとりあえずナイトガードを作ってから相談しようと思っているけど、若いうちから歯について悩むのは嫌だから、できることは色々やっていくつもり。ここまで読んでもし自覚がある人がいたら、歯医者さんに相談しようね。日記終わり。
追記:舌を正しい位置に置いている人は普段から飲み物を飲むときにもその位置を動かさないらしい。上あごに舌をくっつけたまま飲み物を飲むなんて本当に意識せずに出来るのか?感覚としては舌の両側から飲み物が入ってくる感じなんだって。で、そのまま飲み込むんだって。
意味分からなくない?僕は分からない。
ストローはどうするの?舌の下に挟むの?飴は?ガムはどうするの?
でも生まれてこのかた人から正しい舌の位置なんて教えてもらったことはなかったから、正しい位置に舌を置いて生きてきた人はとんでもない豪運なんだと思う。
誰にも教わることがなくても運良く正しい歩き方を覚えていれば足首が歪んで太くなることもないし、猫舌になることもない。五十肩や腰痛になることもないかもしれないし、首にシワが入りにくい人生を送れるかもしれない。
たったひとつ知らないことがあるだけでディスアドバンテージがすごすぎる。人生って本当に恐ろしい。無限に知らないことがあることは承知の上でできる限り全部のことを知りたい。
そんなことを考えていると自分は本当に強欲な生き物なんだなと最近よく思う。これを強欲と呼ぶかどうかは知らないけど。
追々記:舌の位置を正しくする訓練を一昨日ぐらいから始めたけど口が閉じられないのと下の前歯がムズムズする。多分前者は唇が歯を抑える力が弱っているからで、後者は……何?分からない。知らない領域に飛び込んでみると怖いことばかりある。
追々々記:舌位トレーニングは完全に独学ながらたぶん順調に進んでいて、3週間ほどで上あごにくっつけておくことにさほど違和感を感じなくなった。↑で書いていた下前歯のムズムズ感は、常にその場所に舌があったのがなくなったから風通し(?)がよくなったことによってそれを刺激に感じていたからだったようで、今はムズムズしない。ボーっとしていると今でも舌位が下がるので、気づく度に修正するように心がけている。
つい先日ナイトガード(夜寝る時につける食いしばりや歯ぎしり防止用のマウスピース)を受け取ってきた。今のところ矯正に関する話は出ていないので、ナイトガードを使用して改善するかどうかの様子見といったところか。まだ数回しか使っていないけど、自分の場合眠れないということはないみたいでひとまず安心している。以前使っていたものは上下に着けないといけないうえに高さがありガッチリしすぎていて、着けるときはいいんだけど外すとき歯が抜けるんじゃないかと不安になってしまって長く続かなかったんだったな……ってことを思い出した。今回自分が作ってもらったものは前歯の部分に厚みがあって歯ぎしりや食いしばりもしづらい形状なので、このまま続けられたら奥歯全ロストの道を断つことができるに違いない。(長年の習慣を変えるときは恐れと希望を持って臨むべきだ)(そうでしょう)
食いしばり癖がある人には頬の内側や舌の外周に歯型がつくという。思えばこれに関しては物心ついた頃からバリバリついていた気がする。歯型は今はまだ口の中に存在しているけど、習慣とこのNEW GEARによっていつか無くせるだろうか?まだまだ学ぶべきことが無限にあるような気がする。