誰も私のことを見ていない。
母は孫のことしか眼中にない。荷札の宛名は孫だし、中に入っている手紙はひらがなで孫宛に書かれている。「パパとママとげんきにすごしてね。またばあばとあそぼうね」等。孫命で、孫に会うために生まれてきたと言う始末。
夫。たぶん私のことはごはん作りマシーンとしか思ってない。おいしいとか労うとかもなく。セックスマシーンの方はもう無理だと宣言したから、そちらは求めてこなくなったが。
保育園も他の人たちも、私が子どもらと一緒にいれば〇〇ちゃんママ、お母さんとしか呼ばれない。
私は透明人間になったようだ。誰も私を見ていない。
話が通じる相手が私には誰もいない。
この不安定な世界で生き延びるために、妻と母という肩書きをつけて生きていくしかないのだろう。
でも。
自分の身を自分で立てて、生涯独身でも全然良かったなと。というかそっちの方が自分の性に合っていたなと。毎分のように思う。
すべて、今となっては後の祭り、なのだが。