慣性をつくる

migi
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公開:2023/12/1

小さな変更から始めて次第に大きく変更するのが自分の仕事のスタイルかもしれない。

例えば、世の中的によさそうな開発プロセスの事例があったとして(アドカレやpmconfの時期なので優良事例が流れてくる)、自分たちの開発プロセスと比較して「ここをこうしたらもっと良くなりそうな気がするな〜」と思う瞬間はあるあるだと思う。

そこからいきなり「取り入れてみよう!やってみよう!」としてみても、自分たちの課題にフィットしていないと導入効果は薄く、労力のわりにあんまり意味なかったな〜となる。それを繰り返しているうちに変化することに無気力になってしまう(チームの自己効力感が低下する負のループ)。

そのため、どの課題を改善する施策をするかの見極めが重要だし(『イシューからはじめよ』で散々言われている)、初手は小さくてもいいので、すぐに改善が回って効果が実感できる課題へ打ち手を打つといい。 いわゆる波及戦略。

繰り返しているうちに、「ああ、自分たちはガンガン改善していけるんだよな」とチーム効用感が上がる。チーム効用感が上がれば、みんなで変わっていこうぜみたいな空気ができて、もう少しサイズの大きな課題に立ち向かうことができる。さらにこれを繰り返しているうちに、さらに大きなプロセスの変更ができる。さながら岩が転がるように変更が進むようになる。

ここまでくると継続的に改善するのが当たり前になってくる。そもそもプロセスが良くなっていくので仕事をしていて楽しいし、みんなも小さな改善のアイデアが出しやすくなる(はず)。そんな慣性をつくることを意識している。

例えば、4ヶ月前に新しいチームにjoinしてからこの4ヶ月でいくつかプロセスを改善できた。まだまだ伸び代があるよね〜とも感じられている。

  • レトロの場で「そもそも〜」「これってなんでなんでしたっけ?」みたいなのを、気になったら場に出していく。すぐ改善ができそうなことは変更してやってみる

  • レトロ以外の場でも「そもそも〜」「これってなんでなんでしたっけ?」出していく

  • 旧メンバーで作り上げていたDiscovery〜Deliveryまでのプロセスをあらためて新メンバーで言語化して型化

  • リリースしたらチームでログ見る。ログを見れるように仕込むのを必須にしてもらう

  • 開発ボリューム・難易度を鑑みて1週間スプリントから2週間スプリントへの変更。各自の作業時間の捻出

  • デイリーを 朝会のみ → 朝会+夕方 → 夕会のみ に変更(試験運用中)

  • LeSS時代の名残だったチーム横断Backlogから独立したBacklogに移行(試験運用中)

  • チームの開発プロセスに合わせたBacklogの使い方の再考(試験運用中)

  • チーム内で思いつきのアイデアを貯める箱を作りBacklogに載せるまでのプロセス整備(試験運用中)

これらの変更はもちろん自分一人でやっているわけではなく、チームでやっている。だいたいみんな「やってみましょう」と言ってくれて、気づいたらこれだけ継続的な改善が、自律的にできている。そんなチームにいられて幸せだなと思う。うちのチームは抜群に楽しむことがうまい。楽しんでやれているのが慣性を生み出すコツかもしれない。

書いてみて思ったけど、当たり前のことをまたり前にやっているだけなところがある。細かいことをコツコツ積み上げたい性分なんだろうな。つまるところあんまり自分を押し通すことに自信がない小心者なんだろうなと思う。

トップダウンでバシッと変えている人を見てすごいな〜、自分には真似できないな〜と尊敬する。

@migi3
しまね生まれ しまね育ち とうきょう在住 駄文書く&プロダクトづくり