寒い。急に寒くなったので、正直なにもしたくない。暑いとなにもしたくないし、寒いとなにもしたくないし、常になにもしたくない。しかし、なにもしない状態というのは、比喩的なものでしかないので、なにもしたくない、という気持ちは、片想いみたいなものだな、と思う。
PlayboyyというタイのBLドラマがはじまった。楽しみにしていたし、せっかく日本で配信しているんだから、ちゃんとお金を払って見ないといけない。はじまる前から、18禁です、テーマはセックスですと示していたし、役者が宣伝のために行くイベントもボンテージイベントだったりと、明確なものがあったし、明確なところには入りやすい。裕福な家の子どもだけが通う大学の友人グループから、失踪者が出て、そこから、彼らは徐々にplayboyという店に関わる人たちと関係を持っていく。また、失踪者の双子の兄が弟の失踪の謎を追うために現れる。というはじまり。1話の中心は、興味も欲望もあるが、いざ実際の行為に入るとできないアニメ好きのZoueyが、大学にヌードモデルに来た先輩と近づくことと、医者の息子でポルノが好きなFirstが、ピザのデリバリーに来たSoongと金銭を介した関係をもつことのふたつ。それぞれのセックスにまつわるストーリーに、失踪者を探すストーリーが絡まっていく。
1話の時点では、エロがかなり、個人に閉じ込められているという前提があり、そこから生じる関係は、まだ、個人にとどまっている、という話になっている感覚で、そうすると、そこで、じっくり映されるものは、とにかく、それぞれの身体で、しかも、それは、かなり表面を何度も何度もなぞる描き方になっている。肌というものが、これだけ人によって異なりますよ、ということが、大きく伝えられる。タナミン監督の以前の作品であるY Destinyのなかに、水疱瘡が出てくるパートがあるのだが、かなりそれを想起させる。だから、なんだか、行為そのものは、エロティックであるよりはユーモラスで、滑稽で、舞台の上で生じているもののようだけど、身体そのものはひたすらに生々しくそこにあって、それは、幻想の中にも、現実の中にも、生々しく存在する、それぞれ、というところが、なんともおもしろいところだなあ、と思う。そして、同時に、まったく違うところから来た人たちが出会う、という側面が強く、そのことが、ふとした所作の違いや、セリフに滲むのが、なんともロマンチックだなあ、と思う。