先週の木曜日くらいから、家族の誰かが常に風邪っぽい状態で、どんよりした空気が家の中を漂っている。上の子はほとんど熱を出すことがないのだが、久しぶりに発熱して学校を休んだ。夜中に起きて、全校朝会が嫌だ、学校を休みたい、回復したくない、と言って泣いていたので、休むのもやむなしである。
最近はあまりドラマを見る時間が以前に比べてとれないが(といっても無理やり時間をとって見ている)、それに反して、タイでは新しいYドラマがどんどんはじまり、怒涛の勢いである。先週はじまったのがPitbabeというレーシングチームのドラマだ。1話を見たが、怒涛の強さを誇るBabeというレーサーが主人公で、好色なためレースのためには男が必要、というはじまり。そこに、自分もレーサーになるのが夢でBabeに憧れているCharieが近づいてくる。BabeはCharieが気に入り、チームに出入りさせるようになる。一方、チームには、Babeに密かに思いを寄せる友人もおり、、といったような初回。最初から、なぜか、ずっと、アルファという言葉がよく出てきて、どうやら、原作がオメガバースとのことで、しかしドラマにするにあたってオメガバースという設定はなくし、能力(感覚が優れているとか?)だけ残すということらしい。なんの説明もなく、アルファという言葉だけ象徴的につかっていくのは、なんともタイBLらしいな、と思う。また、どちらが攻め、受けなのか、という話で少しネット上では物議をかもしたりもしていた(主演の人の言ったことが、ボトムシェイミングなのかどうなのか、みたいな話で)。初回の時点では、あまりぐっとつかまれる感じではなかったが、裏がありそうなCharieの今後の動きによってはおもしろくなるかもしれない。しかし、他のドラマも多すぎるし、車にさほど関心がないため、見続けられるかは未知。
週末には、今年異様にハマったドラマStepByStepのファンミーティングがあり、タイに行けるわけもないので、Twitterに流れてくるファンカムをずっと見ていた。そもそもドラマや役者のファンミーティングというものは一体どのように享受されるものなのかわかっていなかったが、ファンカムをずっと見ていて、わかった。ドラマにハマっていたら、確かに、これは、なんと喜ばしい催しなんだろう、と思った。舞台上の人たちが、絶妙に役と本人を行き来しながら、歌って踊って話して演技をしてくれる。そして、ドラマの続きを見せてくれる。JaabとJaneがふたりで歌って、二人であるということに照れたり、それでも、ハグしたりする、けど、同時に歌や踊りがあれば、それは、役と中の人の狭間がそこにある。それは、私にとっては、どれだけでも見たい、JaabとJaneの新たなモーメントでもあるし、同時に、それを成立させてくれるSaintさんとVinさんをそこに見る瞬間でもある。その重複は、うまく言葉にできない感覚を生じさせる。キャラの人生があって、そこに身体が重なってくるとき、それは個人の人生がどうあってもひとつの身体に縛られているのに、同時に、無限にキャラクターがそこに存在できるということの、意味と、儚さ、確かさ、そんなようなものが、胸をついてくる。そして、それは、まさに、私がJaabというキャラクターとJaabがJaneに寄せる思い、それがJaneには時に脅威になることを、反映している。タイのBLをパッケージとしてみたときに、なるほど、そこには、縛られていることと、縛られているからこそ生じる解放というものが、あるから、ファンミーティングで歌や踊りがなされるのか、ということが、理解されたような気がする。