離れて暮らしていると、訃報は突然に訪れる。でも近くに暮らしていると、きっと日に日に年老いて、弱っていくのが目に見えて、死が近づいてくるのがわかるんだろう。辛いけど、だからこそ少しずつ別れの心の準備ができるのかもしれない。
上京するという選択は、大事な人の死に目に会えなくなるということだと当時の私はよくわかっていなかったように思う。実際、祖父母の死に目には立ち会えなかったし、葬式にも行けなかったこともある。
でも本当は、生きているうちに会いに行く方がいいに決まっているのに。これが最後かもしれないと、毎回思わないといけないんだな。