新しい年が来た。
大晦日の仕事は1本のみ。掃除をしてから魏実家に行き、その帰りに銭湯に寄って、家で食事をしながらNHKの紅白歌合戦を見た。目的は10-FEETとYOSHIKIとマンウィズだったが、懐かしい曲も多くて結局ラストまでやめられず。タクマさん、「The Birthday チバユウスケ」と叫んで、最後は手を高く掲げていた。その姿を見て、このバンドやっぱり最高だなと思っている。YOSHIKIが演奏前に話していたことも同様だが、きっと、どちらもすべての人が知っている話ではなかろう。それでも、ああいうふうに偲び悼んでくれることを素敵だと思った。そういう姿に励まされて前に進んでいく人も多いだろう。今年は、訃報が少ないことを願っている。
2024年の紅白ではYOASOBIやAdoも印象に残った。それほど新しい世代の音楽はわからないが、パフォーマンスも音楽も好きだ。
そして個人的には郷ひろみのブレイキンが印象深い。私の世代はブレイクダンスっていってたけど今は違う言い回しもあるのだな……。なんというか、アーティストとしての姿勢がかっこよかった。もう大御所の年代だし、出るだけでうれしいファンも多いはず。ただ普通に歌っても十分だ。それなのに新しくダンスを学ぶ。すごいことだと思う。『郷ひろみである限り挑戦をやめることはない』というような話をしていた。本番では支えはあったものの、綺麗に足が上がっていた。郷ひろみだからできるわけじゃない。芸能人=多芸なイメージがあるが、多分違う。挑戦してあきらめない人たちだからできるのだ。もちろんそもそも多芸で器用な人も多いのだろうが、断るという選択肢をせず挑戦する姿勢が結果を生むのだろうと思った。
私も日ごろから「年齢を理由にはしない」というスタンスでいろいろ挑戦するようにはしている。英会話を勉強し始めたのは30代半ばだったし、ベースを買ったのは40過ぎてからだった。どちらかといえば挑戦心はあるほうだと思っている。しかしブレイクダンスを習って人前で披露できるかといわれたらNOだ。できるわけがない、と思うし、やらない。……まあ、ブレイクダンスを学ぶ必要性は今後も生じないだろう。それでも学ぶ姿勢は見習いたいと思っている。
「若さ」は何よりも大きな強みとなる貴重な財産だ。でも若いうちは、その価値がわかりづらい。武器にはできる。しかし真の意味で理解できるようになるのは年を取ってからだ(※私の場合)。
新しい曲の歌詞はすぐ忘れてしまう。格闘技を習いに行っても20分もしないうちに息が上がる。練習してもシンプルなベースラインが覚えられない。白内障でうまく見えない。特に記憶力の劣化には悩まされる。
いろいろとできないことが増えて行って「これが老化か」と気づいた。何も変わらないように思えて、いろいろじんわりと変化していっている。そういうなか「挑戦し続ける」と言い放つ68歳を見て、やはり年齢を理由に諦めたくはないなと思った。これといって今は挑戦したいこともないが、それでも、忘れたくないからここに書いておく。
でも別に諦めてはいけない、とまでは思わない。自然の流れに身を任せ、できることを着実にやっていくことも、生き方のひとつ。その人が自分にとって正しいと思える道を選択すればいい。
打ってるうちにあと2週間くらいでベース覚えたい曲があるのにまったく手をつけられていないことを思い出した。非常に憂鬱な気分である。音を出さずに練習して寝ようと思う。