千葉県民を東京へと運んでくれる総武線快速。
馴染みの銀のボディに青ラインの私たちの電車は、その2色こそ変わらないけれども、色んな変化を遂げている。
一番は広告がデジタルサイネージってヤツになったこと。つまり、座席の上に貼ってあったり中吊り広告だった紙たちが、みんな映像の広告になった。
この季節になると、総武線には必ず貼り出される広告がある。
Merry Christmas 軽井沢高原協会 というもの。クリスマスの時期の、素晴らしいイルミネーションが有名な教会らしい。
この電車に乗っていても軽井沢に辿り着くわけではないけど、軽井沢の自然の中にそびえる、クリスマスの、キラキラした、「見るからに神聖」なその場所に、すこし思いを馳せてしまう。
今日、電車に乗ってふと7人掛けの席の上を見上げると、三角屋根の横に大きな針葉樹林のある教会が横並びの3つの画面全てに映し出された。その三角屋根でわかる。「はいはい、高原教会ね」
毎年毎年、クリスマスのことを思いださせられる。ここに、一緒にいきたかった彼氏と別れたことも。今、一緒に行く相手がいないことも。毎年毎年、少し行ってみたいけど、行く予定はないその教会に、思いを馳せさせられる。そして私は少し卑屈になる。「総武線にこんな広告うって、どうなるんすかね?なにになるんすかね?」と。