記念すべき新年のカラマーゾフ。新年だからどうということはなく特に淡々と過ごしたいという欲が年々増してきた。まず大晦日に特番を見たいという気持ちはほとんど湧かないし、カウントダウンをしたいという気持ちも大して湧かない。数年前は除夜の鐘をつきに行ったりしたものだが、それはそれで行ってもいいかなとか思ったりとかするものの、やはり億劫さが優ってしまう。この本も億劫になりがちだが、ならないように淡々と読んでいく。
<P18>貪婪・・・読み方がわからず勝手に「どんよく」と読んでいたが、ふりがなが振ってあるところで初めて「どんらん」と知った。とはいえ調べると「きわめて欲の深いこと。むさぼり欲ばること。また、そのさま。(コトバンク)」とある。どうも貪婪の方がより欲深いという風に感じることができる。
<P19>論理の上に築かれたバベルの塔、とは結局は想像の域を出ないものであって、現実的なものではないという意味だろうか。なんとなく気に入ったフレーズだ。
<P20>ロシア・・・矛盾に満ちた現実にぶつかって論理の剣が力なく手中からすべり落ちてしまった場合にも、意識を超越した直覚の力によって苦痛と汚辱のなかにもなんらかの歓びを捉える。西欧・・・ひとえに己の理知を恃み過ぎて、しばしば自縄自縛に陥っている。ドミートリィはロシアで、イヴンが西欧的な人物像で描かれているそう。この対比はこの物語を読む上で常に頭の隅に置いておこうと思う。なんと言ったってドストエフスキーは18世紀のロシア的思考大全を作り上げようとしたのだから。最後にごく簡単に対比をまとめている。傲慢と純朴