<P83>ここまでで父ヒョードルから始まり、2人の妻、長兄ドミートリィ、次兄イヴァン、末弟アリョーシャ、長老ゾシマの人物紹介が終わり、家族の会合を物語の始まりとするようだ。
ここまでの印象としては、ヒョードルは非常に滑稽な人物ではあるけれど、狡猾でもありかつ実利も取れる決して頭の悪い人間ではない(ただし性根は腐っていそう)。ドミートリィは腹違いの兄で、弟2人より生活環境が悪かったこともあり学がなく一番の苦労人だが、実直な人物で少し気の毒そうな人。イヴァンは頭は良いが無神論者で若干傲慢なところがある。父の悪いところを洗練して受け継いでいるような印象を受ける。アリョーシャは人畜無害で誰からも好かれている。おめでたいやつにも見えるが、実はそんなことなく非常に思慮深い。長老ゾシマはよくわからない。というのもゾシマの説明の回は、本人ではなく長老制度と4人の内輪揉めの話だったからだ。