子どもとメリデメ

mikipond
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公開:2023/11/24

11時ごろに所用があって外出。なんだか暑い。夏のような日差しで汗をかく。

マメ氏をベビーカーに乗せて、再び電車に挑んでみた。が、駅に着く前にまたもマメ氏が泣いてしまったので結局抱っこ紐コース。お宮参りのときは普通に乗っていたのに、なぜかものすごく辛そうに泣く時があるのだ。苦痛な体勢になってしまっているのか怖いのか、どうもよくわからない。要検証だ。

用事を済ませたあと、帰り道にあったマルイに寄る。

マルイのキッズ用品フロアにあるベビールームも、うちの近所にあるショッピングセンターほどではないがわりと使いやすかった。各テーブルでは、ちょっと疲れた顔のお母さんたちと元気な赤ちゃんたちが思い思いのタスク(ミルク飲みなど)をこなしており、ベンチでは私より少し若いおしゃれな女性が、ベビーカーを前にPCを開き、仕事の打ち合わせの電話をしていた。

「はい、はい、それについてはLINEでまた連絡いたしますので……」

みんな頑張っているなあ。

ここでも再度マメ氏をベビーカーに入れてみたものの、やはりエンエンと泣いてしまうので抱っこ紐に戻した。3時間ほどぶっ通しで起きていたので流石に眠気がきたらしく、抱っこ紐に入ったとたん爆睡。刺激しないように気をつけながら私はフードコートエリアに移動し、ミスドでマフィンと紅茶でおやつタイムとする。

私の胸に小さな頭をことりと置いて寝ているマメ氏の顔を見下ろしながら、そうっと自分の顔をずらして熱い飲み物を飲む時間が好きだ。いまだに毎回、奇跡のようなことが起きているな、と思う。

そういえば昨日、SNSで「子どもを産むメリットが見つからないから産めない」というようなコメントを見た。まあ、子どもを産む現実的なメリットなどないし、今後もデメリットをメリットが上回ることはないと思う。なぜなら日本社会が、「家庭内労働力が増える」「家系が続く可能性が上がる」ことをメリットとして成立させる仕組みを採用しなくなったからである。もちろん共同体的には労働力が増えた方が良いわけだが、個人・家族単位で見たときにはそうでない。今時「子どもを産めば老後の世話をみてもらえるから安心」と考える無邪気なボケナスもそういないだろう。理屈で考えたら産まない方がいいに決まっている。

じゃあ私がなぜ産んだのかと聞かれれば、「人を育ててみたかったから」としか言いようがない。そして、別にそれをメリットと考えたわけでもない。メリットがなくてもやりたいことはある。

帰り道、疲労でぐずるマメ氏をあやしながら汗だくで道路を歩いていたら、車椅子を押してもらっているおばあさんが本当に嬉しそうにニコニコと笑い、「まああ、小さくて可愛いわねえ」と通りすがりに声をかけてきた。歳をとっていくにつれて子どもが子どもとして生きているのを見るだけで嬉しくなる気持ち、まだ36だけど少しわかってきた気がする。

@mikipond
まめとき日記(豆と未樹の日々の記録)/宗岡(小池)未樹です。23年8月に生まれた子ども・マメ氏との日々のことをひっそり書いていきます。