ずり這い録

mikipond
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マメ氏のずり這いが激しい。

もう最近では、どこに置いておいてもすぐさま匍匐前進を始め、床に置いてあるものをなんでもつかみに行ってしまう。マメ氏の普段の居場所はリビングに敷いたカーペットの上だが、私が少しミルクの準備などしているうちにそこからさっさと飛び出して、壁際に私が放り出している鞄をつかんでニンマリしていたりするから困る。

物をめがけて進んでいくときの勢いもすごいが、私がそばに寝転んでいるときのずり這いもなかなか手強い。私が近くにいると、というか私の顔が近くにあると、マメ氏がもう嬉々として、バイオハザードのリッカーのように駆け寄ってくる。それだけならもちろん可愛いが(可愛いと書くならリッカーを例えに出すべきではない)、マメ氏の狙いは手で私の顔や髪をわしづかみにすることにあるのだ。赤ん坊とはいえ何の手加減もないグラッブは強烈である。顔の突き出ている部分を容赦なく狙ってくるため、両唇をいきなりパン袋のように捻じり上げられたり、私の鼻の穴に細い指を突き刺してきたり、産後の弱った髪を昼ドラもびっくりの勢いで引っ張られたりする。妖獣、おそるべし。

すごいもんだ。何せマメ氏、ほんの一週間前まではずり這いの気配もほとんどなかったのだ。足の裏で私の手を蹴らせて練習を重ねても特に進展はなかった。それがある日、「あれ、もしかしてずり這いしようとしてるかな」と感じた瞬間があり、その数日後にはずり這いするようになっていた。

自分の記録や保育園の連絡帳を見ると、4/19あたりにその予兆が見られ(連絡帳に「ずり這いしたかな?と思うくらい動いていました」と記載あり)、4/23あたりで完全にずり這いするようになったらしい。正味3日で「ずり這いしそう」から「ずり這いしてる」に移行しているわけで、赤子の成長速度には驚かされる。たぶん保育園の刺激が作用しているのだろう。家の中で私と静かに過ごしているだけだったらもう少し時間がかかったかもしれない。

マメ氏がうつ伏せで首を上げられるようになったのはちょうど生後3ヶ月くらいの頃である。その後、8ヶ月を過ぎてもずり這いの気配はほとんどなかった。マメ氏はなんというか、生まれた直後から体がべろーんと長く、かつおとなしいものだから、あまり動きのない赤ん坊だったのだ。寝転がしておけばいつまでもそのままで、嫌がって体をねじることもほとんどなかった。寝返りができるようになったのもの6ヶ月半頃だったし、もしかしたらこのままずり這いしないで進むかもな……と思っていたくらいだった。でも親のそんな悠長な想像を超えて、赤ん坊の「やるときはやる」は強烈らしい。

保育園の入園説明会で、他の親御さんの一人に疲れた顔で「7、8ヶ月は……いきなり”キ”ますよ」と言われて「そうなのかー」と思ったことがあった(当時のマメ氏は6ヶ月)。7ヶ月の時点ではそこまで変化を感じなかったが、結局8ヶ月の終盤で畳み掛けられることになったわけだ。こういう、「いつの間に!?」と驚くような激しい変化が今後もどんどんあるんだろう。

とりあえず家具の角にカバーをつけて回ることにする。

@mikipond
まめとき日記(豆と未樹の日々の記録)/宗岡(小池)未樹です。23年8月に生まれた子ども・マメ氏との日々のことをひっそり書いていきます。