子供向けアニメ映画を観よう②

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公開:2025/11/21

子供向けアニメ映画で好きなやつの話をします。

今日は『それいけ!アンパンマン いのちの星のドーリィ』(2006年)

ネタバレは含まれます。



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Netflix

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あらすじ

星まつり、それは、この大地を豊かにしたと伝えられる「いのちの星」に感謝するお祭りである。

星まつりに向け、まちのみんなが準備に勤しむ裏では、ばいきんまんが新たな力を手に入れようとしていた……。

ゲストキャラ

パトロール中のアンパンマンは、漂流していた"人形"ドーリィを発見する。

パン工場に保護されたドーリィは、天から「いのちの星」を授かり、意思のもとに体を動かせる生命となった。

みどころ

ドーリィは「なんのためにうまれてきたか」を問われて、

「困っているひとを 助けるためかな」

と、答えるアンパンマンに疑念を抱く。

そんな折、ドーリィは、まちのみんなの輪に入れず、一人佇むロールパンナを見つける。

そして、この疑念をロールパンナにぶつけ、

「嘘だよね そんなの ありえないよね」

と、問いかけると、ロールパンナは

「嘘じゃない。アンパンマンはそうなんだ でも私にはできない。」

と答えるのであった。

感想

本作では、「他者を想って行動し、感謝されること」が軸として描かれる。

そして恐らく、この作品を通して「(いのちの)星」は、「他者を想って行動すること」を象徴している。

論証のためのシーンの羅列はしないが、こう思っていると、みどころで挙げたロールパンナとドーリィの会話シーンがとてもアツい。

みどころに挙げたシーンのあと、ドーリィはロールパンナに、なぜ自分が他者を想って行動することができないか(=うまく星を扱えないか)を打ち明ける。

これに対し、ロールパンナは、街に灯る星まつりの灯りから夜空へ目を移し、「星が 綺麗だ」と返す。

渋すぎる。

(もしこの映画を観る予定があるならば、ロールパンナの設定について一度調べてから見てほしい。)

ドーリィの、アンパンマンという利他性の塊に対する疑念。疑念を抱く原因の告白。

これに対して、産まれのためにアンパンマンに近づけないロールパンナが、手に届かない満天の星空を眺めて、「綺麗だ」と答える。

思うに、

「たとえ自分に出来なかったとしても、他者の利他性を褒めることは出来るんじゃないの?」

という旨のお説教ではあろうが、やり口が渋すぎる。

どう考えても幼児向けの言い回しではないし、

少なくともドーリィには絶対伝わっていないと思う。

この会話パートは、素朴に見てても、とてもいいシーンで大好きだ。

自分は、このロールパンナとの会話パートが一番好きだが、この映画、もちろんこれだけではない。

時間も50分と短く、場面転換が多くて飽きずにみられるのでオススメだ。