子供向けアニメ映画で好きなやつの話をします。
今日は『それいけ!アンパンマン いのちの星のドーリィ』(2006年)
ネタバレは含まれます。
Amazon prime https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0FLTCDFXV
Netflix
https://www.netflix.com/jp/title/81719799
あらすじ
星まつり、それは、この大地を豊かにしたと伝えられる「いのちの星」に感謝するお祭りである。
星まつりに向け、まちのみんなが準備に勤しむ裏では、ばいきんまんが新たな力を手に入れようとしていた……。
ゲストキャラ
パトロール中のアンパンマンは、漂流していた"人形"ドーリィを発見する。
パン工場に保護されたドーリィは、天から「いのちの星」を授かり、意思のもとに体を動かせる生命となった。
みどころ
ドーリィは「なんのためにうまれてきたか」を問われて、
「困っているひとを 助けるためかな」
と、答えるアンパンマンに疑念を抱く。
そんな折、ドーリィは、まちのみんなの輪に入れず、一人佇むロールパンナを見つける。
そして、この疑念をロールパンナにぶつけ、
「嘘だよね そんなの ありえないよね」
と、問いかけると、ロールパンナは
「嘘じゃない。アンパンマンはそうなんだ でも私にはできない。」
と答えるのであった。
感想
本作では、「他者を想って行動し、感謝されること」が軸として描かれる。
そして恐らく、この作品を通して「(いのちの)星」は、「他者を想って行動すること」を象徴している。
論証のためのシーンの羅列はしないが、こう思っていると、みどころで挙げたロールパンナとドーリィの会話シーンがとてもアツい。
みどころに挙げたシーンのあと、ドーリィはロールパンナに、なぜ自分が他者を想って行動することができないか(=うまく星を扱えないか)を打ち明ける。
これに対し、ロールパンナは、街に灯る星まつりの灯りから夜空へ目を移し、「星が 綺麗だ」と返す。
渋すぎる。
(もしこの映画を観る予定があるならば、ロールパンナの設定について一度調べてから見てほしい。)
ドーリィの、アンパンマンという利他性の塊に対する疑念。疑念を抱く原因の告白。
これに対して、産まれのためにアンパンマンに近づけないロールパンナが、手に届かない満天の星空を眺めて、「綺麗だ」と答える。
思うに、
「たとえ自分に出来なかったとしても、他者の利他性を褒めることは出来るんじゃないの?」
という旨のお説教ではあろうが、やり口が渋すぎる。
どう考えても幼児向けの言い回しではないし、
少なくともドーリィには絶対伝わっていないと思う。
この会話パートは、素朴に見てても、とてもいいシーンで大好きだ。
自分は、このロールパンナとの会話パートが一番好きだが、この映画、もちろんこれだけではない。
時間も50分と短く、場面転換が多くて飽きずにみられるのでオススメだ。