子供向けアニメ映画で好きなやつの話をします。
今日は『ドラえもんのび太と鉄人兵団』(1986年)
ネタバレは含まれます。
Amazon prime
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0FNTTVXZX
Netflix
https://www.netflix.com/jp/title/81044901
あらすじ
ロボットが生きる星「メカトピア」は、長い戦いの末に平等な社会を手に入れた。
平等が実現されたことにより不足した労働力を補うため、メカトピア軍はロボットではない生き物が暮らす星、地球を目指す。
ゲストキャラ
本作には、ゲストキャラとして「リルル」が登場する。
このリルルはメカトピア軍の斥候として地球に送り込まれてきたロボットであり、地球における基地の建設と軍の誘導を任される。
みどころ
中盤、負傷したリルルは、様々な理由からしずかちゃんの治療を受けることになる。
治療の中で、2人は信頼関係を築けたように見えたが、優秀な斥候であるリルルは、しずかを裏切り脱走する。
リルルが軍の総司令部へ合流し、戦況が悪化することを防ぐため、手分けして捜索へ走るのび太たち。
総司令部へ向かうリルルを発見したのび太は、
「行けば撃つぞ」と脅すが、リルルは怯まず
「いいわ 撃って」と言い返す。
結局、心の弱さゆえに撃つことの出来なかったのび太に、リルルは「いくじなし!」と言い放ち、のび太を撃つ。
結果的として、リルルは総司令部へと合流してしまう……
感想
本作には、リルル以外にもう2人、重要なゲストキャラが登場する。
スネ夫の所持する(比較的)低性能なロボットであるミクロスと、自我を持たないメカトピアの土木機械ザンタクロスだ。
(他が超性能すぎるだけでミクロスも十分高性能。)
この作品では、
・メカトピア産の「機械」: ザンタクロス
・メカトピア産の高性能ロボット: リルル
・地球産の低性能ロボット: ミクロス
・地球産の高性能ロボット: ドラえもん
の4人を通して、人間とロボットとの向き合い方が描かれる。
スネ夫は、リルルに対しては破壊を要求する一方で、ミクロスを最も人間のように扱っているし、
しずかは、リルルもミクロスも人間のように扱うが、かなりロボットを見下した発言をする。
そしてなにより、のび太たち全員が、ドラえもんを人間のように扱っている。
(ここからは完全に妄想だが、)
この作品のテーマは『アンドロイドは電気羊の夢をみるか? 』に近いが、内容は「人間を見下すロボットたちによる人間狩り」という鏡映しのものとなっている。
この鏡映しの中で、ロボットであるリルルの出す結論が、『アンドロイドは電気羊の夢をみるか? 』に対する、作者の、人間としてのアンサーなのではないかと思っている。
あとリルルは普通に可愛いので見てほしい