この本を読んだ。
読んだ動機は色々あるけど、一番は(大人になるとさすがにいなくなるけど)何人かの女友達がしれっと話す「女の子よりも男の子といる方が楽」のセリフがどんな仕組みで生まれてるんだろう?の疑問を解消したかったからというのが主目的だった。
読み始めて早速、腑に落ちるヒントは見つかる。
“ミソジニーとは、男にとっては女ぎらい、女にとっては自己嫌悪”
彼女たちは、とても真面目で頭がよく容姿も整った人だったが、本人自身を含む女性に対してとても厳しい目を持っていた。また他者評価にとても敏感で、自己評価を持って自身を肯定できず、苦しい言葉を吐露する場面を何度か見たこともあった。
自己嫌悪は苦しい。だから自己嫌悪から目を背けようとして、女性は、例えば名誉男性化したり外見評価から降りた自虐キャラになりながら、男性優位社会の構造を内在化するらしい。
「なんでわざわざ女の私に、男の子といる方が楽なんて言うんだろう?」とぼんやり考えていた私に反して、彼女たちは至らない自身の存在に苦しんでいたのかもしれない。彼女たちに少し歩み寄れたように感じられたことが、この本を読んだ収穫だった。