【まいにち短歌】空が白い日に逝ったあなたに

mimei_kono
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公開:2024/5/31

画用紙に似た白い空 ひとひとり いてもいなくてもこんなに同じ

雨が降るほどじゃない風の湿り気が あなたの薄いまぶたをなでる

空調の音が吐息にきこえても縋ってはだめ シーツを握る

こんなにも起伏のない日にしなくても それともわざと波をたてたの?

おひさまがなくても結構まぶしいね カーテンをしめてあげるね おやすみ

もしあすが晴れていたなら伸びをして起きてきそうなほっぺ

ねえ明日雨だって やだね やだねって あなたは二度と困らないのね

ひとりだけ雨がへいきな場所にいて ずるいよ いっしょにやだねと言って

知っていた ひとひとりいなくなったとて 世界は終わりも壊れもしない

見送りのおしまいまでは耐えるから 耐えたらその後の空を割ってよ

知っている きっと私も死にはしない 怒られもしない だから嫌なの

こぼれでたあなたの最後の一息が巻雲になった世界を生きる