犬を飼う

miminari
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先日の記事の通り、次男くんの長年の希望を叶えるべくブリーダーさんのお宅へ伺った。

彼が犬が飼いたいと言い出した時から、まずは保護犬や譲渡会などを、と少し調べ始めてはいたのだけれど、一度も犬を飼ったことが無い一家には保護犬や譲渡会等は調べるほどに、とてもハードルが高く感じられてちょっと無理だなあ…となってしまっていた。ペットショップは無論却下である。

冷静に考えれば考えるほど飼わない方が良い気がするし、そもそも動物を飼うという行為について思考をめぐらすほど動けない心地になって数年。

今年の誕生日こそ犬が欲しい!と決意した表情の次男くんを誰より溺愛している夫の人が、ある日スッととても評判の高いフレンチ・ブルドッグのブリーダーさんの処の愛くるしい仔犬に目星をつけて私に知らせてきた。

この人はこういうところがある。同じように美味しそうなお店とかも人知れず常日頃からアンテナを張っており、必要な時にスッとピックアップしてくる。結婚前、彼に「歩くグーグル」という愛称を付けたのは未だに我ながらナイスと思っている。最初から私の趣味嗜好を熟知しているという点でまだまだAIには負けない検索力を誇っている。

なぜフレンチ・ブルドックなのかというと、彼らが通っている美容院のワンちゃんがそうで、次男くんの犬好きを加速させた張本犬だから、だそうだ。次男くんだけではなく夫の人もやられちゃったんじゃないか説を私は密かに疑っている。母が猫嫌い・犬嫌いで動物を飼うという選択肢が全く無かった私と違い、幼い頃から猫や犬が身近だった夫の人は実は犬猫が大好きなのだ。大好きなんて一度も公言してはいないけれど、妻の目から見たら明らかにそう。

あと、母の名誉?のために書いておくと、本心犬猫が嫌いというより、いつか看取ることが嫌だそうで犬猫を見ても可愛いのは可愛いらしい。ネガティブで現実的で責任感の強い母らしいなと思っている。

さてどうしましょう。私はどうせならば犬種でいうと柴犬が好きだし日本の風土と合う子が良いと思っていたりしたし(そもそも猫が良い)、あーでもないこーでもないと反論にもつかない話をしてみたりした。長男もネガティブ思考な私と似ているので、旅行がしずらいなどとのデメリットを挙げて反対意見を述べてきた。まあでも夫の人が写真まで見せる時点で大体の結論は決まっている。ある程度の勝算が無い限りそういう具体的な行為に出ない人なのである。

私のことを論理的だと評価してくれる人もたまに居るし、ストレングス・ファインダーでは戦略性が上位ではあるのだけれど、実はその場の感情でしか生きられない人間なので、一度目にしたが最後、溺愛するのは分かっている。会いに行ったら終わりなのである。なんなら写真の時点で大分やばい。

でもちゃんと皮算用ぐらいならする。3人目の子どもを考えたときには、この環境では空間も足りないし、何より私の体力が足りないなと思って諦めた。フレンチ・ブルドックはとても手がかかる方のお犬様だけれど、母乳をあげる必要は無いので家族全員でフォローし合える。室内犬なので鳴き声などでご近所に迷惑はかからないだろう。子と違い、病院の保険は効かないけれど、保険料ぐらいの予算はある。

まあたぶんなんとかなるでしょう。

とはいえ、あまり覚悟の決まらないような現実感のないままに、予約の日を迎え、清潔に整えられたブリーダーさんのお宅へ向かった。たくさんの愛犬と生活する覚悟がカタチになったようなお宅で、子育てと何も変わらず正解は無いし、分からないことはいつでも聞いてくださいと言ってもらえてほっとした。

結婚と同じく、冷静に考えたら考えた分だけ動けないものなので、えいやで縄をくぐるしかない。そして命を預かる覚悟は、覚悟していても足りないのは二人の子で嫌というほど知っている。

若い頃から考えても中身は全く大人に成れていないという自己評価だけれど、家族のお陰で少しは変わったかもしれないな。次男くんにもいずれそう感じてもらえるように、新しい家族を迎えたいと思う。

そんな訳で最近の私の検索ログは「フレンチ・ブルドック しつけ」などで埋まっているのだが、一向に役立つさじぇすちょんがなく自力で調べるのみである。そして、フレンチ・ブルドックという一犬種での商売が結構あることにざわざわしている。そんな、これまで全く関心の無かった分野を掘り起こす時の、自分自身の行動ログもちょっと興味深いので残してみたいのだが、お世話で必死で忘れてそうだなあ。