上野の国立西洋美術館の常設展を見に行った。
展覧会「真理はよみがえるだろうか: ゴヤ〈戦争の惨禍〉全場面」をツイッターで偶然知った。82枚の版画(エッジング)でスペイン独立戦争時の人間を描いている。見て良かった。宮廷画家のゴヤはどのくらい戦争を間近に見ていただろうか?
ゴヤの展覧会は常設展のエリアのほんの1/12くらいで、ちょうど中央あたりに配置されている。その他のエリアもあまりに素晴らしく本当に驚いてしまった。
入ってすぐにフランドル、ネーデルランド絵画と思われる絵がたくさんあった。肌や涙、宝石類やレースなどの細かい描写が本当に好きだ。油彩なのに厚く塗られていない雰囲気も好きだ。ヴェロニカの聖骸布の絵も初めて見たがこれも良かった。
ディーリック・バウツ:荊冠のキリスト Christ Crowned with Thorns、ヨース・ファン・クレーフェ:三連祭壇画:キリスト磔刑 Triptych: The Crucifixion Flanked by the Kneeling Donor and His Wife
ブリューゲル(親)(子)の絵やボデゴン、ヴァニタス画を見ながら進んでいくと、テニールスのアントニウスの誘惑があった。ボスの小さい怪物みたいのがアントニウスの周りをふよふよと飛んでいる。かわいいがすぎる。今回見た絵の中で一番好きだった。ポストカードがあって良かった。もちろん買った。
ダフィット・テニールス:聖アントニウスの誘惑 The Temptation of St. Anthony
通路のような場所にものすごく大きな絵があると思ったら、フュースリだった。馬の目が可愛い。ものすごく大きい絵はそれだけでグッとくるものがある。クールベ、コロー、ドガ、マネ、モネと続き、ゴヤのエリアになる。
ヨハン・ハインリヒ・フュースリ:グイド・カヴァルカンティの亡霊に出会うテオドーレ Theodore Meets in the Wood the Spectre of His Ancestor Guido Cavalcanti
続くエリアには、なんとハンマースホイがあった。それどころかモローもあったし、ルオーもあった。知らなかったが、ロヴィス・コリントの樫の木やアウグスト・ストリンドベリのインフェルノ、アクセリ・ガッレン゠カッレラのケイテレ湖も良かった。
最後のエリアはピカソやムンクやミロと派手で良かった。
こんなにすばらしくって500円とは何が起きているのだろうか?びっくりしたまま、いってみたかったレストランすいれんでパスタセット(筍とアーティチョークのボロネーゼ)を食べて帰宅した。
また行きたい。あと、国立西洋美術館リニューアルに密着したドキュメンタリー「わたしたちの国立西洋美術館 〜奇跡のコレクションの舞台裏〜」がみたい。