友人が合羽橋に遊びに来ることになった。用意周到な友人はあらかじめ行きたいお皿のお店をピンした画像を送ってきた。聞けば少なくとも6年は会っていないという。田原町駅を通りすぎて浅草駅で待ち合わせしてしまったことを悔しがるさまを見て友人がほぼ変わっていないことを確信する。せっかくなので浅草の人ごみを見せてあげつつ、スタート地点に向かう。
最初のお店では魚用の長方形の皿を物色していた。自分は以前見つけた伏見人形の辰の小さな置物を見せ、買うか迷っていることを相談し肯定的な意見をもらい気をよくする。ピンに止まったお店以外も確認していく。コンパクトな包丁とぎや粉ふるい、ピーラーといった実用的な調理器具はどういった種類のものが存在するかを確認してネットで購入するかもしれないと言っていた。
ピン止めされたラストのお店を残しお昼になったので老舗のロシア料理屋さんに行く。浅草は老舗のロシア料理屋さんが多いというがなぜなのだろう。つもる話をしつつ、前菜のスモークサーモンをノロノロ食べているとマダムにボルシチがもう来てしまうので早く食べなさいとアドバイスされる。メインのホタテを食べていると豪華なサラダが運ばれてきて友人と店員さんの間で本当にコース内のサラダなのかで議論が行われる(コース内のサラダ)。壁には密林と鳥たちの絵がかかっておりロシアの絵かは判断がつかない。
ラストのお店では友人の琴線に触れる魚用の長方形のお皿があったらしく迷うことなく購入していた。見てみるとこれまでにまわったお店で友人が課題としてあげた問題を見事に全て解決する完璧なお皿である。自分もこの素晴らしい買い物の思い出に何か欲しくなり最初のお店に戻って伏見人形の辰の置物を購入した。友人は最初のお店で再度お皿を確認し自分が買ったお皿への満足感を高め、無事に田原町駅から自分の町へと帰っていった。