リプリーといえば、1999年のアンソニーミンゲラの映画版で、この映画が好きで原作も読んだ。太陽がいっぱいは見ていない。
この度ネットフリックスでリプリーがドラマになったと知って見始めた。原作および1999年の映画版とはだいぶ趣が異なっている。
まず、リプリーがアンドリュースコット。リプリーがアンドリュースコットということは魅力的すぎるということである。リプリーというかアンドリュースコットである。
リプリーは才能はあるが貧しく卑屈でディッキーに憧れてディッキーになりたいと思い、同時に全てを持っているディッキーを憎んでいる。そのために殺してしまう。
ネットフリックス版のリプリーはサイコパス感が強い。タイプライターで「素早い茶色い狐がノロマな犬を飛び越える」とタイプしている。このフレーズはパングラムだけど意味があるように思える。最近見たソルトバーンに似たセリフが出てくる。
初めからリプリーに取って代わろうと狙っているように思える。指輪を見る目が怖い。ディッキーの服を着て真似をするシーンも映画版とは見え方が違う。マフィアとも臆せずに取引する。
時々抜けている。序盤ディッキーの家に行く途中で力尽きそうになる。ボートから落ちる。死体を運ぶ体力がない。
原作とは全く違うけど、全然いい。最初はカラーがいいなと思ったけど、モノクロでよかったのかもしれない。非常に面白かった。
ただ、シュードロウ、マットデイモン、グウィネスパルトロウ、フィリップシーモアホフマンの映画版は、永遠にオールタイムベストには違いない。