おっさんが好きだ

Minaduki
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昔からおっさんが好きだ。それこそティーンエイジャーのころからおっさんが好きだ。学生時代からおっさん好きを公言するあまり、20ぐらい年上の男性と結婚した友人から警戒されるぐらいにおっさんが好きだ(とはいえ好みのおっさんというものがあってだな…つうか不倫なんかするかばーかばーか)

このおっさん好きは年齢とともに減衰し、自分自身が中年になったら若い子にキュンキュンするのかと思いきや、相変わらずおっさんが好きだ。それどころか、年齢とともに中年の解像度が上がり、おっさんに対する妙な憧れは失せたことで、昔よりもさらに好きになったと言っても過言ではない。

徹夜明けのヨレヨレした無精髭面で目頭押さえている姿なんてご褒美である。ついでに髭の中に白髪を見つけて焦って欲しい。代謝の低下に反比例して増していく腹回りを気にしてジョギングを始めたら、膝や腰を痛めて元の木阿弥なんてかわいらしい限りだ。このような解像度が高い描写に巡り逢おうものなら五体投地必至。…加齢に伴うあれこればかりだが、中年なんてそんなもんなのだから仕方がない。

さらに、「きのう何食べた?」のおかげか、商業BLでもおっさん同士のCPが珍しくなくなってきてほっくほくである。できれば10代の頃の自分に耳打ちをしたいぐらいだ。喜べ、数十年後にはお前の好物同士が絡んでいる作品があるぞ、と。

@minaduki
英語を翻訳したり小説を書いたりするひと。翻訳はいちおう生業です。