12月6日(水)
朝。ふと、ああ、こういうところからだよな、と思い立ち、ボロボロになっていたネイルを落とす。3週間も放置していたので、色は半分以上禿げてしまっていて、爪自体はどこかに引っ掛けたら拷問よろしくベリッと剥けてしまいそうなくらい伸び切っていた。裸になった爪にかなり気分がすっきり。やっぱりこういうところからだった。
夜。長年視聴しているゲーム配信者が、プライベートで大変なときにも毎日のように配信してくれていたという事実がわかって涙する。なんとなく、視聴者の大半が察していた長く触れられていない話題について、不意に触れて、話せるようになったからと説明してくれた。遡って当時の放送アーカイブを見てみると、特に面白い配信が多く、心底楽しませてもらっていた時期で涙。プライベートなことなのだから、触れられたくないことは一言だって話さなくてもいいのに、話さなかった理由までも教えてくれてまた涙。
ゲーム配信を見ること。とても大好きな趣味だけど、あまり誰かと共有したことがない。これまでハマった漫画やアニメ、映像作品などは、SNSアカウントを作ったり、二次創作したり、オフイベントに参加したりなどして、同じく楽しむ人々と交流してきたが、配信界隈ではほぼ活動していない。配信を視聴することが自然と日常の一部に組み込まれているからなのか、共有するという発想が生まれてこなかった。それぐらい自分の生活に、もはや趣味の域を超え、当たり前として存在している。
最も長く熱が続いていて、かつ最も私生活を支えてもらっているジャンル。ゲーム配信は生活必需品。不登校だった学生時代から、心がどんどん摩耗していく社会人生活を経た今日まで、面白い配信に何度心を救われてきたかわからない。
そうやって、自分の毎日を支えてくれている配信者が、配信業という仕事に対して誠実に取り組んでいることが垣間見えると、とても有難い。これからも変わらず見続けようと決意。健康に気をつけて、毎秒配信してほしい。
12月7日(木)
ひとつ歳をとった。母とランチに、今のところ人生で一番美味しいと感じているとんかつを食べに行く。惚れ込んでから何度か通っているが、通うたび、美味しさでお腹も心も満たされる。幸せな気持ちになる。店から見える景色の良さも気に入っているから、視界からも満たされる。おかげで、以前よりずっととんかつという食べ物が好きになった。今日もとても美味しかった。
食後、立ち寄り湯に寄って身体の疲れをとったあと、帰り道に大好きなうどんをテイクアウト。夕飯に食べて、その美味しさにまた胸がいっぱいに。死ぬ前にもう一度食べたいと思い出すような味をしている。そういううどん屋がもう一軒ある。どちらも地元の、ローカルなうどん屋だけれど、それがあるからこそこの土地から離れがたいと思えるほどに美味しい。
夕食後、デザートにケーキ、ではなくクッキーを食べる。予約していたケイタマルヤマのクリスマス限定クッキー缶がちょうどよく昨日届いていたので開封。植物と黒猫デザイン、可愛すぎるー!
クッキーもクリスマス仕様。
いくつか食べてみたが、ころんとした赤くて丸いクッキーがとびっっきり美味しかった。(それだけまとめて販売してほしいくらい、本当に美味しかった……)
こうして一日を振り返ると、朝から晩まで、好きなものを食べてばかりの誕生日。食いしん坊な自分がそのまま現れた、まさしく私らしい誕生日を過ごした。
とんかつ屋に行く道中、母から「アラサー」という言葉が出てきた。私のことを指している。全く実感が湧かないので自分でも「アラサー」と口に出して言ってみたが、やはりピンと来ない。昔に想像していたアラサー像と、今の自分自身が遠すぎる。想像上のアラサーはもっとずっと大人だった。アラサーとは、もうとっくに思慮分別が身に付いている人間のことだと思っていた。私の心は、そういう意味でとてもアラサーに追いついていない。
重ねてきた年齢と心がピタリとハマる瞬間はちゃんと来るんだろうか。ハマったなと実感して、そうして成熟したな、大人になったなと思えるんだろうか。今だって大人には違いなく、人からもお前は大人だと指を差されるのに、自分で自分のことを大人ですと胸を張るには自信が足りない。未熟な証拠。そういう歳の重ね方をしてきたことが、今更恥ずかしい。自覚する未熟さを有耶無耶にして、違和感の中をうろうろ彷徨いながらも、何をするでもなく生きてきた結果、こんな大人になっている。
来年も変わらず同じように自覚していたら、それはちょっと嫌だな。並び立つことはないだろうが、子供の頃に思い描いていた大人と自分との距離が今よりもうちょっと近くなっていたい。「アラサー」という言葉を咀嚼していたら随分寝るのが遅くなった。言葉まで食べている。
12月8日(金)
咳が治った。かもしれない。一昨日の夜にやや酷い咳が続いたきり、ぱたりと止んで今日もほとんど出てこない。まだ鼻と喉が繋がっているあたりに痰が絡むけれども、咳がでるほどではない。長かった。
最近気にかけてやれなかった植物たちの様子を見る。ポトスが水切れを起こして、しなーんとしていたので水をやり、いくつかを寒い自室から暖かいリビングへと移動させて日光浴させる。陽の光を一身に浴びて、発光するかのように輝く様を眺めて心が軽くなる。これよこれ〜。植物たちが光合成すればするほどに、私の心のタンクにも栄養がグングン補給されてくような気分。植物を気にかけるとはこういうことだったなと思い出したりする。
療養中に届いた子もようやく確認できた。オンラインで購入したハートホヤ。結局、植木市で実物を見てしまってからその可愛さが忘れられず、ネットのあちこちを探し回って見つけたもの。元気もりもりとまではいかないけれど、枯れたり根腐れしている様子はないみたいで一安心。春になったら大きい鉢に植え替えて、支柱を立てて上に上に育ててゆきたい。
昼にまたKEITAMARUYAMAのクッキーを食べる。昨日食べなかったココア味のクッキーがやわほろっとした食感で、ほっこりした気持ちになった。
夜。年末に向けてやらねばならないことをリストにまとめる。生活していると、やんなきゃいけなかった〜ということがぽんぽん出てきてしょっちゅう頭を抱えるのに、いざ面と向かって考えようとするとなかなか思いつかない。今年の年の瀬はゲームに没頭したいので、それまでにひとつずつリストを消化していかないと。
12月10日(土)
12月なのに、残暑が続いているのか? と思うくらいに暑い日だった。窓のそばで過ごしていたら、太陽の当たる右半身だけが焦げた。冬なのに家の中で日焼けしそう。
昼間、母と百均へ行く。買い物を終えて店を出たあと「他にも要るものがあった気がするけどー……」と考え込む母。今日は付き添いで来ただけだが、自分も同じように悩みながら店内を回っていた。
百均に行くと毎回そうだ。目的のものを買っても、なにか他にも買うべきものがあったような気がしてならない。しかし全く思い出せずにモヤモヤしつつ帰宅して、ふとした時に、ああこれを買いたかったんだったと思い出す。そしてまた後日、目的のものを買いに百均へ行くと、他にも必要なものがあった気がしてならなくて、でもやっぱり思い出せずに帰るけれど、暫くして思い出して、また百均へ……。
怖い。怖すぎる、百均の無限ループ。わざとそんな気持ちにさせるように仕向けて、そうやって何度も足を運ばせてるんじゃなかろうか。それに気を抜くと、本当に買うべきものすら忘れ、いつの間にか必要ないものばかり購入していることもあったりするのが更に恐ろしい。毎度毎度、百均には誘惑が多すぎる。目移りしまくる。安さに惹かれるまま買い物していたら、何のために百均に来たのかわからない金額を払っていたりする。
恐るべき百均。決して、ふわふわとした軽い気持ちで立ち寄ってはいけない。百均へ行く時は、これだけを買うんだ、という確固たる強い意志の元、揺るがない精神力を携えて挑まなければならない。