のたのた日記|2月26日(月)〜3月3日(日)

minamonu
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2月27日(火)

夕方。家にいることが無性に苦しくなり、車で地元の広い公園まで出掛ける。気分を変えたくて、いつもは停めない駐車場に車を停め、いつもは歩かない公園内の片隅を散歩。今日は風が強く、頭上の背の高い木から枝が降ってきやしないかちょっとひやひやした。

隣を流れる川の岸辺で群れているカモを眺めながら、ただただぼーっとする。カモのほかにも違う種類の鳥がいた。流れの合間に浮き出た岩場の上、スンと佇むシルエットは見えたが、夕日の逆光と距離の遠さで容姿はさっぱりわからなかった。そんな鳥でも綺麗に撮影できるカメラが欲しい。

2月28日(水)

焼いた、クッキーを。チーズケーキ作りで余っていた無塩バターを消費するため。昨日出掛けたついでに買ってきたチョコと家にある材料で、簡単に作れそうなレシピを参考に。

①チョコと無塩バターとサラダ油を合わせてチン。②溶かしたそれに砂糖と薄力粉を加えて混ぜる。③混ぜたものを一口大に切り分けて丸めて、少し冷やしてオーブンで焼く。か、簡単すぎる……! 加えて、前回のチーズケーキ作りでの反省を活かし、使う材料を必要量だけ事前に測っておいたら驚くほどスムーズに工程が進んで更に簡単になった。自分は洗い物が増えるストレスと調理中のストレスを天秤にかけると、圧倒的に後者ほうが負担になるらしい。お菓子作りというものに慣れてくれば、また天秤の傾き加減も変わるかもしれない。

焼きたてに触れると、まだふにゃんと柔らかい。これは冷ますと固まるやつ。熱がとれるまで暫く待ち、最後の仕上げに粉糖を振りかける。が、その前にひとつだけ味見してみた。う、うまー。ひと噛み目はざっくりしているんだけど、噛めば噛むほどしっとり、じゅわっとしっかりチョコ感が溢れてきて美味しい。ついもうひとつ、と伸びる手を我慢して粉糖をかけて完成。

チーズケーキとはまた別に、チョコ系のお菓子を作りたかった欲が満たされてすっきりした。作り終わってしばらくした頃、不意に手を動かしたら捲り上げていた袖の裾から溶かす前のチョコの破片が飛び出てきてぎょっとした。勿論食べた。

2月29日(木)

閏日。Xに流れてきたポストで「2月29日の間だけ、次の2月29日に向けてメッセージを送ることができる」ウェブサイトを見かける。調べてみると4年後の自分に向けて送っている人が多くいたので、真似をして自分も未来の自分へ送ってみる。書き出しが思い付かず、なんのことはない、今日の天気と家の様子と夕飯のメニューを書いた。

4年後ともなると、自分よりも家族のほうが心配になり、今の家族についても書いておいた。父はまだ冗談を言えるくらい元気で、母と自分も仲が良く、弟は大切な誰かと生きていくかもしれないこと。実際どうなるかは神のみぞ知るってものだろうが、今からの4年後は、今日までの4年間よりいろんなことが大きく変わるんじゃないかと思っている。自分も、家族も、生き方や考え方、日々の流れ。良いことばかりではないだろうが、悪いことばかりでもないと願いたい。

最後の締めくくりはどうしようかと悩み、いつまでも自分に言い続けたいことにしておこうと思って「健やかな心を大事に」と書いた。未来の自分からは何を偉そうにと文句を言われそうな締め方になってしまった。

3月2日(土)

昼から友人とランチに行く。準備のために早めに起きたはずなのに、出掛けなきゃいけない時間になってもバタバタと部屋を行ったり来たり。学生時代のほうが今よりずっと時間に気を遣っていた。歳をとるにつれ、時間に対して舐めてかかるようになってしまっている。

車で友人を迎えに行き、ドライブがてら目的地へ。会って早々にお互いの話が止まらない。仕事の愚痴はランチ中の会話にとっておこう、となるくらいに止まらない。

今年沖縄に行こう〜という話が、いつの間にか長崎へ行こう〜になって、店を移動しカフェでお茶する間に日付と宿が決まった。トントン拍子すぎる。

たくさん話したはずなのに、車で友人宅まで送り届けた後、またメルカリについて暫く話し込んで、とにかくしゃべくりな数時間だった。いつか、近いうちにメルカリのやり方を教えてもらう。

3月3日(日)

昨日に引き続き、昼を外に食べに行く。今度は両親と。母と父が、最近見つけた良い感じのラーメン屋に行くそうなので着いて行く。

昔ながらの、古びた、地元に根付いたラーメン屋という店構え。横開きの大きいガラス戸は中の様子が丸見え、つまり中からも外の様子が丸見え。既に中にいた数人のお客さんが、家族でやってきたこちらをガン見してきてかなり萎縮してしまった。こういうとき、めちゃくちゃ踵を返して逃げたくなるのは自分だけ? のれんをくぐる直前まで来てそういうわけにもいかないので、両親の背中に隠れるように入店。店内はカウンター席のみ。自分が座ったところはちょうどカウンターの角にあたる部分で、角を曲がったすぐ隣に座る年配のご夫婦から再びジロッと視線を浴びてしまい、縮こまった。頼むから見ないでほしい、と言えるわけもない。

注文を頼み終えるとようやく視線から解放されて、のんびり店内を見回せるようになる。壁にかけられたシンプルなメニュー表の下に「1日2本限定 自家製チャーシュー」という貼り紙を見つけて、ここはチャーシューに自信があるのかな〜なんて思ったり。カツカツという音に釣られてカウンター内を見ると、若いお兄さんが職人捌きでオタマと中華鍋を振るい、やきめしを作っている。その奥で別の店員さんが麺を茹で、バットに並べられたたくさんのチャーシューを箸で慎重に盛り付けていた。やけに丁寧に掬ってはやけに丁寧に乗せていく箸捌きに「やけに丁寧だな〜」とぼんやり思った。

頼んだのは普通のラーメンとやきめし。スープも麺もやきめしも美味しかったのだけど、びっくりさせられたのはチャーシューの美味しさだった。食べた瞬間にちょっと自分の中のチャーシュー観が塗り替えられたくらい。チャーシューって、どれも大体こういう味してるよねと決めつけていたものとは、全く味わいが違った。

ラーメンのチャーシューの苦手なところといえば、油っぽいところと、ちょっとパサついているところと、チャーシューの味付けがスープと合わさると微妙な味になるところ。だけど、今回のチャーシューにはこの苦手なポイントが全て存在せず、脂身はしっかり見えているのに食べてみると全くしつこくなくて、身はしっとり甘く、スープとの相性が抜群なのか味付けが驚くほどに美味しい。絶妙な柔らかさで、舌の上にのせるととろりと蕩けていく。いつものチャーシューなら2枚で十分すぎると思うのに、これはもう10枚くらい食べたい。

自家製チャーシュー、自信があるなんてものじゃなかった。なんならこれだけでも十分にお店ができるのでは? すごい、何故こんなに美味しい。もぐもぐしながら終始感動していた。次に訪れる時は絶対チャーシューメンにしよう。そう強く心に決めて店を出た。

@minamonu
文章を書くのが好き。ネイルと観葉植物と編み物も好き。少し前の日記を晒したり。